高橋維新(弁護士)
(メディアゴンより2016年2月28日分を転載)
 2016年2月27日放映のフジテレビ「めちゃ×2イケてるッ!(めちゃイケ)」4時間スペシャル。メインは、素人からプロの芸人になった三中元克がめちゃイケに居続けられるかどうかを視聴者の投票で決めるという生放送企画である。

 ただ、この三中企画は番組の最後の最後に位置しており、前半は違う企画も放映していた。

 以下、一つ一つ見ていく。

<オカ柳徹子>

 黒柳徹子に扮した岡村が、秋田県の「岡村」という集落に(おそらく)仕込みなしのアポなしで突撃し、そこで偶然出会った素人と絡む企画である。このコンセプトは、完全に「鶴瓶の家族に乾杯」(NHK)と一緒であり、特に目新しさはない。

 この企画では仕込みなしで素人と絡むことになるため、きちんと撮れ高を確保するにはできるだけたくさんのおもしろい素人と出逢う必要がある。この素人のおもしろさを引き出すのは、ロケに出向いたタレントの役目である。鶴瓶は、この能力が異常に高い。
ナインティナイン矢部浩之(左)と岡村隆史=2011年9月(千村安雄撮影)
ナインティナイン矢部浩之(左)と岡村隆史=2011年9月(千村安雄撮影)
 理由を察するに、まずハゲとブサイクのフラで固められた見た目が、全体的な「話しかけやすい雰囲気」を醸し出しており、素人でも絡みやすいからだろう。そのうえきちんとツッコミができるため、素人のおもしろいところが出ればいちいち拾うことができる。

 この「話しかけやすさ」と「ツッコミ」が素人との絡みでは非常に重要である。他のタレントだと、例えばさんまはどちらも申し分ないが、とんねるずは普段の傍若無人な芸風から素人では話しかけにくいうえに、ツッコミも程度がきつすぎるために素人相手にやると視聴者を引かせてしまうことになるため、向いていない。

 今回の岡村はどうか。岡村も、鶴瓶と同じようなストレートなフラを持っているため、視聴者からすると話しかけやすいのは確かである。また、ツッコミも一定水準の能力を持っている。そのため、鶴瓶と同じような役回りをできることはできる。

 ただやはりボケのイメージが強いため、岡村が素人のボケにツッコんでも少し寒さが残る。特に今回はわざわざ紅白の派手な衣装を着て黒柳徹子に扮し、フラを上乗せしていたため、見た目からしてボケている岡村に素人のボケが重なると少し画が散り気味になっていた。ゆえに岡村の恰好については、もうちょっと考える必要があるだろう。

 あと、鶴瓶はどちらかというと絡む相手の年齢層が高いのだが、今回、岡村が絡んでいる人は若い人が多目だった。2人のファンの年齢層の違いに起因するものであろうが、若い素人はどうしても前に出てこようとするため、映像が痛々しくなりがちである。

 素人の良さは「天然ボケ」であり、テレビで目立とうとしてちょける10代・20代よりは、カメラを意識せずに年の功の特権で好き勝手なことを言うジジババの方が圧倒的におもしろい。そういう意味では、やっぱり鶴瓶の方が向いている企画である。