安田理央(ライター、アダルトメディア研究家)

 大阪・堺市が、コンビニエンスストアに陳列されている成人向け雑誌を半透明の色付きビニール袋に入れて表紙の中央部を覆うことで、子供たちの目に入らないようにするという取り組みを始めるという。さらに「堺市は女性や子供に対する暴力のない安全なまちづくり(堺セーフシティ・プログラム推進事業)に取り組んでいます」などと書かれた大きなプラスティック板をコーナーに設置する。

 現在、コンビニでは既に成人向け雑誌は一般雑誌と区分し、二箇所のテープを貼ることによって立ち読みが出来ない状況になっているが、それでもまだ表紙が目に入ってしまうので、それもガードしよう、というわけだ。
 エロ本から青少年を守ろうとする動きは21世紀に入ってから本格化している。まず2001年に東京都青少年健全育成条例が改正されて、コンビニや書店などで「青少年に好ましくない雑誌」を成人コーナーに隔離する区分販売が義務付けられた。

 そして2004年には中身が閲覧できないように表紙と裏表紙をテープで小口留めすることが決定される。さらに2005年には一箇所のテープ留めでは、中身が読めてしまうという指摘から、テープを二箇所にすることになる。これでコンビニでエロ本を立ち読みすることは不可能となった。

 そればかりが原因というわけではないが、00年代後半からエロ本の売上は大幅に下がり、現在は、ほぼ壊滅したと言ってもよい状況である。コンビニには、まだたくさんエロ本があるではないかと思う人もいるかもしれないが、よく見てみると、そのほとんどがAVメーカーから写真や動画を借りて安価で作ったDVD付ムックであることに気づくだろう。昔ながらのグラビアを撮り下ろしたエロ本は、ごくわずかしか残っていない。多くのエロ本出版社は実写系エロ本から撤退し、エロ漫画誌やファッション誌、パズル誌などの一般誌に主力を移している。