武田邦彦(中部大特任教授)

 先の大東亜戦争でアメリカは国際法上の大罪を3つ犯している。一つは1945年3月10日の東京大空襲、二つ目は同年8月6日と9日の広島・長崎への原爆投下、そして三つ目が東京リンチ(東京裁判)である。

 
原爆ドームが見える場所で、別れ際に安倍晋三首相の肩をたたく
オバマ大統領(右)=5月27日午後6時20分、広島平和記念公園(上田潤撮影)
戦争が終わって日本がアメリカ軍(形式的には連合軍となっているが実質はアメリカ軍)に占領され、その後は日米は友好国となったこと、戦後復興にいろいろな形でアメリカの世話になったことから、「戦争中のアメリカ軍のことはあまり話題にしたくない」という気分が日本を覆っていることは事実だ。

 でも、「論理的に関係の無いことでも遠慮する」という曖昧な論理は国際政治では通用しない。友好国は友好国、歴史は歴史である。韓国や中国のように歴史を歪曲してはいけないが、事実は事実としてお互いに認めた方が真の友好関係を築くことができるのは言うまでも無い。
 その意味で、アメリカ軍による大東亜戦争とその直後の国際的な犯罪行為と、未来にむかった両国の友好関係は別の物として論じ、しっかりした関係を築いていくことこそ大切である。

 また、日本人は「和をもって尊しとなす」という素晴らしい文化を持っているが、その反面、とかく「付和雷同、議論不要」となりがちである。オバマ大統領の広島訪問についても「客人に悪いことは言いたくない」という日本的文化のもとで「犯罪人のアメリカの大統領が広島に来るのか」という発言を抑制する「空気」が日本列島にみなぎっていた。日本特有の「強い自主規制」も今後の日本のことを考えると望ましくない。

 さて、本題に戻ると、3月10日の東京大空襲を指揮したアメリカ軍の将軍はル・メイだが、サイパンから出撃したB29の大編隊を二波に分け、第一波が東京の郊外に通常爆弾を落とし、その音と光に怯えた婦女子が東京の中心部に逃げる頃を見計らって、人体を焼くことを目的とした焼夷弾を投下するというものであった。