日本は平和だよ


 今年(平成27年)のタバコの予想税収は2兆940億円ですよ。一方、防衛費は5兆911億円だから、軍事予算の半分弱をタバコの税金でまかなっている計算になる。日本は平和だってことですよ。

 そういう数字の比較で言うと、ぼくらが昔やっていた深夜番組『トゥナイト』(テレビ朝日。1980~94年、『トゥナイト2』94~02年)で取り上げた話題だけれど、ラブホテルの一日の売り上げは10億円だった。そうすると月に300億、一年に換算すると3兆6千億円になる。当時の日本の防衛費はそれより少なかったんです。これこそ世界に冠たる平和国家の証明ではないかというわけ。要するに、裏通りにひっそりと並ぶラブホテルと、狭い喫煙所に閉じ込められて肩身の狭い思いでいる喫煙者が日本経済と国防を支えている(笑)。

 たとえばタバコ一箱が430円だとすると、そのうち64%の276・73円が税金だっていうんだ。細かく言うと、その税金の105・24円が市区町村のたばこ税、122・44円が国のたばこ税、17・20円が都道府県のたばこ税、消費税が31・85円。税金をさっぴくと、タバコ自体の値段はたったの153・27円にすぎない。

「好煙権」運動があってもいい


 だから、各自治体は「区(市)の重要な財源ですからタバコは地元でお買い求めください」なんてPRしています。そのくせ、たとえばいまこの場でもタバコは吸えないでしょう。千代田区みたいに、路上全面禁煙だとか、立ち止まって吸うのもダメだとかって区もある。軍事予算の半分近い税金を取っておきながら、失礼きわまりない。そういう区には行きたくないね。

 ぼくの住んでいる中野区では、駅のまわりでもちゃんと喫煙エリアを決めていますよ。吸う人と吸わない人の住み分けを図っている。全車両禁煙なんて列車もあるけれど、新幹線には狭いけれど一応、喫煙スペースはある。要は喫煙者がマナーを守ればいいだけの話で、まさか山手線のなかで吸うバカはいないんだから。

 法律の勉強をしていた大学時代の友人で、わざわざ裁判を起こしたやつがいました。自分がいずれ検事だか弁護士になるんだから裁判というものを体験しておきたいというので、わざと立小便をして警察官につかまって、法廷で争ったんです。生理的にがまんできなかったので、物陰でした。大衆の面前でしたわけではないのになぜいけないのかって主張して、結局、裁判に勝ったんです。

 だからぼくも、千代田区で堂々とタバコを吸いながら歩いてみたい(笑)。つかまったら最高裁まで争う。あくまで法律に則って、喫煙に対して最高裁がどういう判断を下すか。法治国家ですからね。まさか「健康に悪いから有罪」とは言わないでしょう。

 国の最高機関である国会にだって喫煙室はあったはずですよ。議員会館にもね。それでいて庶民のささやかな嗜好品にとんでもない税金をかけて、禁煙区域をどんどんふやしている。ぼくが政治家になるとしたら、その問題を徹底的に追求しますね。

 社会の害悪のように言われながら、一言も文句を言わない喫煙者もおかしいよ。自分でもわるいと思っているのか、逆に、何と言われようが、タバコが一本一万円になろうがおれは吸うんだとか、タバコのために稼いでいるんだとか居直るのだって、肚の中では自分たちは世の中の人たちに迷惑をかけている存在なんだと漠然と思い込んでいるんじゃないかな。「嫌煙権」があるって言うのなら、タバコを吸う人間は「好煙権」運動を起こしたっていいはずだけどね。