木村隆志(コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者)

嵐の背中が遠のいていく…


 国民的グループになったSMAPと嵐に続く存在として、冠番組やソロ出演など大幅な露出を続けてきた関ジャニ∞が、今ひとつ伸び悩んでいる。もちろん熱心なファン層がいることに疑いの余地はないが、それ以外の層への訴求度はお世辞にも高いとは言えない。「メンバー個人の名前どころか、正式なグループ名が言えない」という人も多いのではないか。

 実際、グループで出演する全国ネットの出演番組は、日曜深夜の『関ジャム完全燃SHOW』(テレビ朝日系)のみ。昨年3月に『関ジャニの仕分け∞』(テレビ朝日系)が終了してからは、プライムタイム(19~23時)の出演番組がなくなってしまった。これはプライムタイムに、『VS嵐』(フジテレビ系)、『嵐にしやがれ』(日本テレビ系)という看板番組を持つ嵐との差に他ならない。

 嵐どころか、このところ勢いのあるHey! Say! JUMP、巻き返しを見せるNEWS、異彩を放つKis-My-Ft2など、20代の年下グループと比較しても、決して関ジャニ∞が優位な状況にあるとは言えなくなってきている。全員出演の映画『エイトレンジャー』(2012年、2014年)を公開しても、バラエティやドラマへのソロ活動をガンガン増やしても、グループとしての活動を求めるのはファンばかり。彼らがグループとして、ファン以外から支持を集められないのはなぜなのか。

 最大の理由として考えられるのは、グループとしてのキャラクター。メンバー全員が関西出身だけに彼らが集まると、イジリ、ボケ、ツッコミ、フォローが飛び交い、大半は笑わせてくれるし、彼ら自身からも「何でもかんでも笑わせよう」という意志を感じる。つまり、「芸人以上に芸人らしい」グループなのだが、落とし穴はその“芸人”というポジション。そもそも芸人は、人によって好き嫌いが別れやすいカテゴリーであり、それだけにあらゆる層から愛される“国民的グループ”というイメージは持たれにくい。
(イラスト・不思議三十郎)
(イラスト・不思議三十郎)
 また、芸人はタレントの中で、最も競争が厳しいカテゴリー。「たけし、さんま、タモリ」のレジェンドから、とんねるず、ダウンタウン、ウッチャンナンチャンらの大御所、バナナマン、雨上がり決死隊、有吉弘行らの中堅まで層が厚いため、関ジャニ∞がどんなに面白くても、このカテゴリーで“国民的グループ”にのし上がるのは難しいのだ。

 「アイドルなのに、めちゃくちゃ面白い」のなら、国民的グループになれる可能性はあるが、彼らの笑いは芸人のスタンダードな手法を踏襲したものがほとんど。それだけにファン以外は、「アイドルではなく芸人」という見方しかできない。