高橋維新(弁護士)
メディアゴンより2016年2月12日分を転載)
 2016年1月9日放映の「人志松本のすべらない話」(フジテレビ)を見たので、今さらながら感想を記す。

 目玉になっていのたは、SMAP・中居正広がしゃべり手として参加していたことである。

人志松本のすべらない話=2011年12月16日
人志松本のすべらない話=2011年12月16日
 今、中居を含めたSMAPを見る視線には、どうしても解散騒動を通した色眼鏡をかけてしまうが、この番組は、SMAP解散騒動が報じられる前に放映された番組である。なので、解散騒動と絡めて論じることは不適切であるし、無理がある。ただ、単純に中居がこういう番組でやっていけるかを見る指標にはなるので、その点を論じてみたい。

 さて、中居参戦が目玉になるのは、芸人ではないからである。

 しかし、「すべらない話」はおもしろい話を聞いてもらう番組である以上、出演者は「人」ではなく「話」で選ぶべきである。おもしろい「話」さえ持っていれば、芸人でなくていい。芸能人ですらなくていいはずだ。

 よって、中居の参戦は、それだけではいいとも悪いとも言うことはできない。彼がおもしろい話を持っているのなら歓迎すべきであるし、そうでないなら忌避すべきである。SMAP中居だからとか、ジャニーズだからとかでいい悪いが決まるわけではないのだ。

 それを踏まえて、中居の出来を論じてみる。ついでに中居が出てきた他の人の話者の話にも触れる。中居の話は3本であり、中居が出てきた話は2本あった。後者は、いずれも千原ジュニアによるものであり、ジュニアの1本目と3本目の話である。


 評価は、以前の「すべらない話」にも導入した四段階評価である。

 ◎:爆笑
 ○:声を出して笑った
 △:おもしろいとは思ったが声を出しては笑わなかった
 ×:おもしろくない
 ス:スベリ枠としておもしろかった


[中居1「マネジャー」]:×

マネージャーの聞き間違いの話。(1)雑誌→梨と、(2)炭酸の缶ジュース→単三の乾電池、という聞き間違いが紹介されていたが、(2)はわりとよくあるので、(1)を先に出してしまうとインパクトで負けてしまう。中居によるマネージャーのモノマネはなかなか堂に入っていたが、最後の最後には稲垣にはそのマネージャーがハマったというオチで締められていたので、稲垣の変人っぷりについてもっとフリがあったら良かったかもしれない。

[中居2「マネジャー(2)」]:×

オチがマネージャーがゴルフウェアを着ていることであるため、イラストのような視覚的補助があった方が笑いが生じやすいと思われる。これは、中居の問題ではなく、番組側の問題である。

[中居3「ジャニーさんの誕生日会」]:○

今回のMVSである。これは特に言うべきことはない優秀な話である。

写真週刊誌に松本との合コンの模様を記事にされたが、その記事でジュニアとして紹介されていたのが中居だったというオチの話。ジュニアは「間違えようがないだろう」と写真週刊誌のボケをツッコむスタンスで話していたので、写真の現物を見せてくれないとピンと来ない。中居の2本目と一緒で、視覚的補助が必要な話なのである。もちろん、それは大人の事情で難しそうではあるので、それができないならテレビでするべきではない。

あと、ジュニアはこの話の冒頭に別の合コンの話をしていたが、関連性があまりなくフリとして機能していなかった。単に軽くウケをとって場を暖めるためのツカミだとしたら余計である。


[ジュニア3「祝儀」]:×

中居が結婚したジュニアへの祝儀として1000円札の分厚い束を渡してきたが、結構分厚いので1000円でも結構な額になってしまい、ボケとして弱かったという話。

やはり実際の額を言ってもらわないとどれぐらい弱いのかというのがピンと来ない。実際に額を言うのはマナー違反の部分もあるだろうが、だとすればジュニアなのだから「○○ぐらいなら買える額」というたとえを入れてもらわないとダメである。

 さて、番組を通して感じた中居正広への評価である。自分で話した3件と、「ネタにしてもらった」2件でのやりとりが今回の中居の露出である。

 結論から言えば中居の存在は、これまでに参加した「芸人でない出演者」の中では一番おもしろかった。とはいえ、そこまで光るものがあったわけではない。

 厳しい言い方かもしれないが、SMAPという括りやジャニーズという庇護を剥ぎ取った時にやっていけるだけの、タレントとしての唯一無二性までは見出すことができなかった。