榊裕葵(社会保険労務士)

 先日、ヤフーニュースで「すき家『2店でまだワンオペ』市民団体が調査 会社側は否定」という記事が報じられていた。ヤフートップに掲載されていたので目にした人も多いと思う(withnews 2014年10月15日付配信)。

すき家のワンオペ率は0.2%


 私がその記事を読んで感じたのは、特定の負の側面を強調したブラック企業批判は、そろそろやめにすべきではないかということだ。

 まず、私が違和感を持ったのは、今回の市民団体の調査でワンオペが2店舗あったのを発見した話を、まるで鬼の首を取ったかのようにアピールしていたことだ。
 すき家がホームページで公開しているIR情報によると、全国にすき家は約2000店舗ある。そのうちの2店なのだから、数学的に冷静に考えると、ワンオペ率は僅か0.1%である。もちろん、「0」が望ましい姿であるが、この0.1%という数字に対しても「まだワンオペをやっているのか?」と上から目線で責めるのは、少々言葉がきついのではないだろうかということだ。

 7月末にすき家が公表した第三者委員会のレポートでは、当時のワンオペ率までは記載されていなかったが、文章による説明では

 すき家においては、予測売上額に応じて投入可能な労働時間が決定されるため、売上が小さいと見込まれる時間帯は必然的に一人勤務体制(ワンオペ)となる (平成26年7月31日 第三者委員会報告書)

すき家においては、予測売上額に応じて投入可能な労働時間が決定されるため、売上が小さいと見込まれる時間帯は必然的に一人勤務体制(ワンオペ)となる (平成26年7月31日 第三者委員会報告書)

 ということであったので、そこから考えると、多くの店舗でワンオペが行われていたことが推測される。そうであるならば、今回全店を調査したわけではないにせよ、全国2000店もあるうち、ワンオペが2店舗しか見つからなかったというのは、むしろ、会社の改善への取り組み姿勢を評価すべき場面なのではないだろうか。

 それに、会社側は、ワンオペを指摘された2店舗についても、ワンオペはしていないはずと反論している。急な欠勤や有給休暇の取得などで、結果的にワンオペになってしまったという可能性もある。確率的には起こりうることであろう。

 半月とか1ヶ月観察して、多くの日にワンオペが行われていたならば、確かに指摘をすべきである。だが、市民団体が行った調査は、1日だけとのことだ。それで、その日にたまたま1人しかいなかったからワンオペと決め付けてしまうのは、断定的すぎるのではないだろうかと私は思ったのだ。