最長で10連休が可能だった今年のGW(ゴールデンウィーク)も終わる──。そして、今春、高校や専門学校、あるいは大学に入学した学生は、新たな学校生活にも慣れてくるころだろう。初のアルバイト探しを本格的に始める時期でもある。

 しかし、アルバイト初心者の若者の中には、「巷で騒がれているようなブラックバイトだったらどうしよう……」と不安に駆られている人も多いはず。社会保険労務士の稲毛由佳さんが、面接時における2つのケースから、ブラックバイトの見分け方と切り返し術を指南する。

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「正社員並みに働かせられる」、「シフトを一方的に決められてしまう」──。せっかく決めたアルバイトがこうした「ブラックバイト」だと、「勉強する時間がない」、「友達との約束をいつも破ってばかり」など、学生生活がめちゃくちゃになってしまいます。

 ブラックバイトは、面談時の会社側の話から、かなりの確率で見抜けます。

●ケース1/なんちゃって時給

面接者:時給を決めるのは、少し働いてもらってからね。ほら、働きぶりを見ないと、決められないから。

学生バイト:えっ。あっ、はい……。

面接者:じゃぁ、来週の月曜日からよろしくね。

「働き始めてから、時給が決まる」というのは、とてもおかしいこと。特に、ひと月分のお給料をまとめてもらう月給制の場合は、労働者のほうから働くことを断るべきバイト先のナンバー1です。

 なぜなら、「給料をもらってみたら、求人広告に出ていた時給よりも低かった……」という相談が多いケースだからです。
 ブラックバイトの経営者ほど、「アルバイトはすぐ辞めてしまう。だったら、できるだけ安い時給で働かせたい」と考えるもの。特にバイト初心者は、すぐに本領を発揮できません。そこで、時給を決めないことをよいことに、給料を払うときになって、「まあ、こんなもんでいいか……」(経営者)と、心の中で決めていた時給よりも安い金額に考え直しがちだからです。

 何らかの魅力があって、どうしてもそのバイト先で働きたい場合は、面談時にすかさず「時給は、最低、いくらになりますか?」と確認しましょう。面談する側もバイトのほうから断られることはイヤなので、相場よりあまりにも安い金額は言い出しづらいものです。

 これで、少なくとも提示された時給をもらうことは主張できます。また、「1000円ぐらい」などと、金額をあいまいにする言葉をつけるケースもよくあります。950円でも四捨五入すれば「1000円ぐらい」になります。「約」、「だいたい」、「……ぐらい」などという言葉がつく時給は、決まっていないのと同じことなのです。

 こうした金額をあいまいにする言葉がでたら、「では、1000円ということですね」と、労働者のほうから切り返して、金額を確定。「○年○月○日、店長○○さんと面接。時給は1000円で決定」と相手にも見えるようにメモを取りましょう。

 労働契約は口約束だけでも成立します。メモは、口約束をした立派な証拠になります。「いや、決まったわけじゃないから……」と労働者のメモを見てひるむようなバイト先で働くのはやめたほうが無難です。