本誌が21人の経済専門家に今後の日本経済の行方を緊急取材したところ、一部の専門家からは年末までに日経平均2万円回復など楽観的な見方が出た。しかしその一方で、目先の値動きを警戒する見方も出ている。戸松信博氏(グローバルリンクアドバイザーズ代表)が語る。

「6月に米国が利上げに踏み切れば新興国からの資金引き揚げが一段と進み、新興国の経済不安から一時的な株安に見舞われるでしょう。しかし日欧をはじめ世界的な金融緩和が続いている以上、その後も株価上昇が見込めるため、下がった時が買いのチャンスと見ています」

一時1万5000円を割った日経平均株価を示す大型モニターが
設置されたディーリングルームで、端末の画面に向き合う
ディーラーたち=6月24日午後、東京・丸の内の大和証券
 経済アナリストの豊島逸夫氏は、海外のリスク要因を挙げる。

「一つはイギリスで6月に予定されている国民投票の結果次第でEU離脱の可能性があること。本当に離脱すれば、ポンドが暴落し、安全通貨の円が買われて円高が進行します。もう一つのリスクは中国経済です。中国人民銀行の緩和政策で株式市場は何とか持ちこたえていますが、年の後半に1度は中国株の暴落が起こることを考えなければなりません」

 日本株反転のきっかけとなる「円安」も望みにくい状況が横たわるとの指摘もある。一般的には日米の金利差拡大に伴ってドル買い・円売りが進むが、今年は特殊事情がある。11月の米大統領選だ。

「大統領選に向けて景気を良くしておきたい米国はドル安路線を堅持しようとする。円安に戻るのはその後になる可能性が高い」(エフピーアイ代表の藤ノ井俊樹氏)

 さらに米大統領選後もネガティブな見方がある。

「有力候補であるヒラリー(民主党)、トランプ(共和党)のどちらに転んでも、日本株にはマイナス材料。いずれも反TPP(環太平洋経済連携協定)で、日本の為替政策に批判的なためです。先日、米財務省が為替政策の監視リストに日本を初めて指定し、日本は為替介入に踏み切りにくくなった。円安は夢のまた夢となりそうです」(フィスコ株式・為替アナリストの田代昌之氏)

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