大江紀洋(Wedge編集長)


 子宮頸がんワクチンをめぐる問題が、新たなフェーズに入っている。国と製薬会社2社を相手取った集団提訴が間もなく提起される予定だ。

 子宮頸がんワクチンは薬害を引き起こしているのかそうでないのかという本来の議論もさることながら、この問題は、現代社会を生きる私たちが陥っている、ある深刻な状況を鮮明に浮かび上がらせているような気がしてならない。それは、高度に進んだ科学技術社会、情報化社会を支える基盤となるべきメディア、アカデミア、行政の3主体が抱える「病巣」と言ってもいい。

 このテーマを追い続けてきた医師・ジャーナリストの村中璃子氏が、弊誌月刊「Wedge」とWebマガジン「Wedge Infinity」で立て続けに重大なレポートを発表した。

・Wedge7月号 子宮頸がんワクチン薬害研究班 崩れる根拠、暴かれた捏造 (6月20日発売)

 上4本が、子宮頸がんワクチン接種後症状を調べてきた厚生労働科学研究班(班長:池田修一信州大学副学長兼医学部長、以下「池田班」と記述する)の成果発表、最後の1本が、症状とワクチン接種の関わりを調べた大規模疫学調査の名古屋市発表をめぐる問題を扱った記事である。