市「疫学の解析について、専門家がいない市では評価できない。解析部分についての公表は差し控えたい」

編「名古屋市立大学の解析結果、つまり有意差がないという速報の結論を市は最終的に否定するということか」
市「名古屋市立大学の解析結果は否定しない」

編「なぜオッズ比を表から消してしまったのか」
市「オッズ比は解析の結果だから、市としての発表になじまない」

編「市立大学の解析結果を否定していないのに?」
市「いち解析結果ということ」

編「最終報告書にあるはずの、市立大学の最終的な解析結果を見たい。が、鈴木教授は市の許可がなければ取材に応じられないといっている。市が最終報告書を出さないのなら、鈴木教授に依頼するので、市はその許可を出してほしい」
 市「その許可は出せません」

 編「なぜか」
 市「市からの委託契約で市立大学は解析しているからです」

 編「生データが市の財産であることは理解できなくはないが、解析は鈴木教授が研究者としてやっているのだから、その研究成果を市が闇に葬るのはおかしいのではないか。これから先も最終報告書、市立大学の最終解析結果を開示する考えはないのか」
 市「報告は今回で終わりです」
 速報から変わることのなかった「有意差がない」という最終解析結果、つまりワクチン接種と症状の間に因果関係はなかったという結論を否定はしないが、公開はできないという名古屋市。一体、なぜなの年度末までの発表に向け担当者が作業を急いでいたであろう時期、ある大きな出来事があった。それは、3月30日に開かれた、 6月以降に国と製薬会社2社を相手に集団提訴を行うとする被害者団体の記者会見である。各紙の報道によると、会見の時点で原告に加わる意向を示しているのは12人。その後、原告を募る説明会が続けられていた。

 この件について、6月2日の取材で編集部が市の担当者と次のようなやりとりをしている。

「因果関係がない」ままなのに、そうとは言えなくなった名古屋市


編「年度末にちょうど、3月30日に国賠提訴の会見がありました。影響はありましたか?よりセンシティブになったとか」
市「ええ、そのあとは、ですね」

編「どういう風にセンシティブになるんでしょうか? 提訴に関わる捉えられ方をする、とか」
市「そういうのはありますね。速報出してからでもそうですけれども、これを元に色んなことをお話し伺っている部分も色んなところでありまして」

編「有意差がない、という部分が色んな引用や話につながるわけですね」
市「はい。私どもとしてはどちらにも与していないし、中立的な立場が保てるのも非常に大事だな、と」

 編「提訴の話があってセンシティブ度が上がっているなかで、解析結果を出しづらくなった?」
 市「どうするんだどうするんだという話は当然出てきまして」

 編「提訴の話が出て、役所の中では議論になりましたか?」
 市「どうするんだと議論はあった。上層部も頭の隅にはあると思います」