和田大樹(オオコシセキュリティコンサルタンツ アドバイザー)

 7月1日午後9時頃(現地時間)、バングラデシュの首都ダッカにある飲食店を武装集団が襲撃し、日本人7人を含む多くの外国人が犠牲となる悲劇が起きた。実行犯らはバングラデシュの裕福な家庭で育った若者とされ、事件後、過激派組織イスラム国が犯行を認める声明を出した。
現場に向かう車両の中で待機するバングラデシュ軍特殊部隊の隊員=7月2日、ダッカ(AP)
現場に向かう車両の中で待機するバングラデシュ軍特殊部隊の隊員=7月2日、ダッカ(AP)
 当然のことながら、事件を受け日本国内のメディアもこのニュースを集中的に報じるようになったが、私はこの事件を受け、2013年1月に日本人10人が犠牲となったアルジェリア・イナメナス人質事件がふと脳裏に浮かんだ。この時の実行組織は、北アフリカやサハラ地域で活動するマグレブ諸国のアルカイダ(AQIM)から分派した集団であったが、今回の事件同様に相手がムスリムかそうでないかを基準に殺害するかしないかを決めていた。

 また、今回の事件の大きな謎として、イスラム国と実行犯らの関係があるが、仮に実行犯らの一部がシリアとイラクで活動するISに以前参加し、戦闘経験を積んで帰還した後に国内の仲間たちと実行していたとしても、今回の事件を検証する際、それが重要なのではない。

 それ以上に我々が懸念しなければならないのは、リスクのグローバル化である。通信、金融、経済、文化などグローバル化の拡大と深化により、国境の壁を越えた利便性を享受している。しかし、我々はその利便性を日常的なことと考え、もう片方の事をあまり考えないでいる。グローバル化とは良い面もあれば、悪い面もある。

 例えば現在のテロリズムにおいては、このグローバル化が我々の生活を脅かす手段となっている。現在のテロリストは、Facebookやツイッター、YouTubeなど通信手段を利用し、テロリストのリクルートや組織のアピール、資金の送金などを日常的に行っており、これがテロの拡散に拍車をかけているのである。