岡部凜太郎(高校2年生男子)


今夏の参院選から18歳投票が可能に

 
 昨年6月、公職選挙法が改正され、18歳から選挙権が認められるようになった。これによって今夏の参議院議員選挙より、18歳からの投票が可能となる。新たに有権者の枠が拡大したのは、敗戦直後の昭和20年以来であり、歴史的な出来事といえるだろう。

 しかし、残念ながら、新しく有権者となる十代の若者の政治的な問題への関心は、高くないのが現状である。

 本論の筆者である私は現在、17歳の高校2年生である。幼いころより政治や社会問題について関心を抱き、自分なりの意見をもって生きてきた。中学に入ってからは、学生団体が主催する政治、社会問題についてのイベントにもたびたび参加している。そういったイベントでは、政治や社会問題について、強い関心と深い知識をもった学生が参加しており、驚いてしまう。しかし、そうした若者はむしろ少数派であろう。十代の圧倒的大多数は、政治について無関心である。

模擬投票を体験する県立日野高の3年生=6月15日午後、滋賀県日野町
模擬投票を体験する県立日野高の3年生=6月15日午後、滋賀県日野町
 現在、政府が主権者教育を推進している背景にも、私が抱いている危機感と同じものが存在する。そもそも、主権者教育とは「主権者として社会の中で自立し、他者と連携・協働しながら、社会を生き抜く力や地域の課題解決を社会の構成員の一員として主体的に担う力を発達段階に応じて、 身に付けさせるもの」(『総務省主権者教育の検討に関する検討チーム中間まとめ概要』より)を指し、従来の公民教育とは違う「思考力」を身に付けさせる教育である。

 具体的には政治的な問題について他者と議論したり、政治的な問題についての模擬投票を行なうことなどが、カリキュラムに取り入れられている。

 ただ現状では、実施に際して学校により主権者教育への温度差が存在し、教育現場と中央省庁との認識のズレなども指摘されている。

 私の学校では主権者教育に向けて総務省制作の副教材が配布されたが、授業日数などの関係もあり、学年集会で公職選挙法について大まかな解説をしただけであった。

 おそらく、日本のほとんどの高校で今年行なわれている主権者教育は私が経験したのと同程度のものだろう。そんな主権者教育に、私は漠然とした違和感を感じてしまう。それは、先ほど挙げた主権者教育の実施に際しての具体的な方法に関する違和感ではない。私は、どうしても主権者教育の根幹に関わる「思想」そのものに疑問を感じてしまうのだ。