松竹伸幸(ジャーナリスト、編集者)

 この特集の共通テーマは、「共産党に食われる民進党」だそうだ。民進党が道を誤ると、本当に消滅することになるかもしれない。そうならないために何が必要なのか、アドバイスのつもりで書いてみる。

自民党と変わらない民進党は支持されない


 民主党が政権の座から転落した記憶は新しい。その原因としてすぐに思い浮かぶのは、福島第一原発事故の対応をめぐる迷走であったり、政策実現の財源としての「埋蔵金」探しの失敗であったりする。それらをちゃんと総括していないため、いまだに支持率が低迷しているのが現状だ。政権をとった際の「コンクリートから人へ」という訴えは新鮮だったが、失敗を総括しないまま、今回「人への投資」を約束しても、それが果たして実現可能なのかという危惧を国民は抱いたままなのである。

 同時に、民主党から民心が離反した最初のきっかけが、安全保障に関わる問題だったことも忘れてはならない。そう、「普天間基地の県外移設」という約束を反故にしたことだ。
沖縄県知事選の焦点となる米軍普天間飛行場=同県宜野湾市
沖縄県知事選の焦点となる米軍普天間飛行場=同県宜野湾市
 当時の民主党は、「対等平等の日米関係の実現」を掲げていた。国民の大半は、日米関係は大事だがせめて基地の一つくらいなんとかならないのかとも感じていたので、民主党のスローガンは国民の気持ちに合致するものだった。そういう気持ちは現在も続いており、だから米軍駐留経費を100%支払えとするトランプ氏に対して、産経新聞が「(世界で突出する)日本の負担は、……『安保ただ乗り論』への反論材料でもある。

 さらに、沖縄の基地問題にみられるように国土を提供することの『重み』や政治的コストは数字に代えがたいものがある」(5月25日)などと「反論」したりするわけだ。ところが当時の民主党は、普天間基地問題での変節に続き、在日米軍に対する思いやり予算をそのまま継続する特別協定を締結するなど、日米関係を少しも変えることができなかった。

 自民党と変わらないなら老舗の自民党に任せよう。これが民主党を政権から引きずり落とした民意の底流にあるものだったと感じる。