参院選の投開票が終わると同時に、大混迷の東京都知事選がスタートした。自民党都議団は増田寬也・元総務相の擁立に動き、反発した小池百合子・元防衛相(63)が出馬会見で都議会の「冒頭解散」「利権追及」を公約して対抗した。

 互いの弱点を握っているが故に内ゲバはスキャンダル暴露合戦が激しくなるのは今回に限ったことではないが、出馬の意思を示すやいなや、小池氏に噴出した「政治とカネ」の疑惑に本人はどう反論するのか。

「こうなるから出馬しない方が良かったんだ。舛添の二の舞になるぞ」。自民党の選対幹部はニヤリと笑った。

 「百合子の乱」で東京都議団にケンカを売った小池氏の「政治とカネ」をめぐって、“身内”の自民党内に複数の文書や情報が流れ、新聞・テレビから週刊誌、ネットメディアまでバッシングが過熱している。そうした情報には、小池氏の党支部や政治資金団体の膨大な資金の出入りのうち、“不透明な部分”がピックアップされている。

 産経新聞が報じた小池氏の党支部事務所の格安家賃問題も情報として出回っていたもので、疑惑報道の“アンチョコ”になっていることがうかがえる。

 「都知事選の告示日(7月14日)まで順番に報道が出てくるんじゃないか」。前出の自民党幹部はそう予言する。

 ならば、この際いっぺんに紹介しよう。いずれも取り沙汰されている内容を本誌が改めて政治資金報告書などから確認した。

都知事選に出馬表明し、都政の政策発表会見に臨む小池百合子氏=7月11日、東京都庁
都知事選に出馬表明し、都政の政策発表会見に臨む小池百合子氏=7月11日、東京都庁
■ゴルフコンペ不記載問題
 小池氏は政治資金パーティや「Ysフォーラム」といった後援会の会合、「Ysカップ」というゴルフコンペ、忘年会を開いているが、4年分(平成23~26年)の政治資金収支報告書の記載とホームページの活動記録を照合したうえで、ゴルフコンペ3回と忘年会3回の収支が記載されていないことが指摘されている。本誌が確認すると、確かに記載はなかった。政治資金規正法に抵触する可能性がある。ちなみに『週刊文春』は、このほかに2つの政治資金パーティ(Ysフォーラム)について報告書に記載がなかったことを指摘している。

■経費使いすぎパーティ
 国会議員の資金集めパーティは参加者に提供する飲食代など経費を低く抑え、できるだけ多くの利益を稼ごうとする。だが、小池氏のパーティは原価率が高く、あまり儲かっていない。ある文書では、小池氏のパーティやフォーラムの原価率は30~50%が多く、なかには90%超もある。議員パーティの平均原価率(毎日新聞報道によると約17%)より高いことから、「収入をごまかしているのではないか」と指摘。

■格安事務所家賃
 政党支部の家賃(月額約15万円)が相場の半額程度と安く、差額は家主からの献金にあたるのではないかとの指摘(産経報道)。

■「電通」献金
 収支報告書によると、小池氏の政党支部は2014年12月30日に大手広告代理店「電通」から20万円の献金を受けている。同社はこの年、農水省の「日本食・食文化」の宣伝事業を受注しており、国から補助金や給付金を受けた企業の献金を禁じた政治資金規正法や、国の事業を受注した企業からの選挙のための寄付を禁じた公選法などに抵触するのではないかという問題。

■金券ショップに多額の支払い
 2012年の総選挙前に金券ショップに「郵送代」として約57万円を支払っている。「何を買ったのか。もし、商品券などを選挙で配っていれば違反」(都連関係者)という。

■「花代」問題
 2014年には「花代」として1年間に約97万円を支出。これも、選挙区内の後援者の葬儀などに花輪を送っていれば公選法に抵触する可能性がある。