中村幸嗣(元自衛隊医官)

 あのネットギークも真っ向から否定する水素水(【悲報】水素水、効果なかった。伊藤園「あれはただの水です」)。村中さんも否定的な記事を書かれています。(水素水ビジネスにのめり込む 伊藤園、パナソニックの「品格」)私はどちらかというと期待している医師なので、少し解説を加えたいと思います。ちなみにCOIはありません。

 水素水に関する臨床論文です(論文まとめ 英語)。またこのような解説記事もあります(「水素水は体に良い」は本当か?効果の真偽を徹底検証)が、どうもすっきりしません。

 今出ている一番いい解説はこちらだと思います(水素水、「ニセ科学」と切り捨ててはいけないが、エビデンスありとは言い難い)。そしてネットギークにも書かれている、そして村中さんも指摘している企業のあり方が悪いからと否定するのは水素水そのものにとって少し見当違いです。これは法律の問題なのですから。
 医薬品、特保、清涼飲料水。この順番で開発費はかかります。特に医薬品にしたとすれば、本当に効果が出るのなら売上も間違いなくブロックバスターになるでしょう。ではなぜ医薬品にしないのか。

 臨床論文はまずまず出ています。もちろん指摘にあるように少数対象の研究でまだまだ医薬品として認可されるものではありません。ただ若返り、動脈硬化予防、がん抑制など効能の範囲が広すぎるため適応開発の費用は莫大なものになります。まして予防効果を証明しようとすれば観察期間は10年以上になるでしょう。それができる臨床試験は難しい、いや不可能なのが現状です。それならば医薬品にしてお金をかけるより企業のリスクが少ない清涼飲料水の方が儲かると会社は考えたのです。