市場が世界だからこそ打てる博打である。「海外の大作ゲームは、5年かけて100億円以上費やして製作し、世界で500万本売れればペイ、みたいな世界。日本のメーカーは到底太刀打ちできない」─。そう語るのは、今年6月に日本発売された海外ゲーム『ウォッチドッグス』(ユービーアイソフト)の日本語版翻訳監修を担当した脚本家の佐藤大氏だ。日本のゲームはその大半が日本人固有の嗜好に合わせて作られているため、マーケットが国内に限られてしまう。

米国で1年に1度開催される、世界最大のコンピューターゲームイベント「E3」 (BLOOMBERG/GETTYIMAGES)
米国で1年に1度開催される、世界最大のコンピューターゲームイベント「E3」 (BLOOMBERG/GETTYIMAGES)
 『GTA V』は「ゲーム内に作られた架空の州で主人公が自由に動きまわり、様々な犯罪に手を染める」という内容のゲーム。製作費をかければかけるほど、3DCGで作り込むゲーム内の世界を広くして、細部までリアルに描くことができる。製作費が作品の魅力に直結しているのだ。

 ちなみに同作にはハリウッド女優のリンジー・ローハンをモデルにしたと思しきキャラクターが登場するが、CGがあまりにリアルで似ていたために当のリンジー本人が激怒。発売元を訴えるという珍事件も起こった。

 もう1つ、日本のゲームにはない魅力が、過激な表現だ。多くの海外ゲームでは、プレイヤーが様々な武器を駆使して殺人等の犯罪行為を行うことができる。バイオレンス映画さながらの残酷な流血描写が含まれるものも多く、公共施設の破壊や器物破損もお手の物。そのため、販売に際しては海外でも日本でも年齢制限が設けられているが、国内のゲームに飽きた日本のコアなゲームユーザーが、刺激を求めて海外ゲームに流れている一側面もある。
「GTA V」のゲーム画面。1つの州の街、山、海等の景色が、驚くほどリアルにつくられている (ROCKSTARGAMES/CAPCOM)
「GTA V」のゲーム画面。1つの州の街、山、海等の景色が、驚くほどリアルにつくられている (ROCKSTARGAMES/CAPCOM)