世界での日本市場の地位低下


 一方、日本における海外ゲームのユーザー数ははそれほど多くない。海外事情に詳しく、『ゲームになった映画たち 完全版』(マイクロマガジン社)という編著もあるライター・編集者のジャンクハンター吉田氏はこう推測する。「国内の海外ゲーム人口は多くて20万から30万人。そのうちヘビーユーザーは5万人くらいで、最も濃いマニアは2万人程度しかいない」。

 実際、世界一売れた『GTA V』ですら、日本における13年の販売数は60万本程度。世界売上の3000万本からすると日本の市場シェアはたったの2%ということになる。英ガーディアン紙は今年2月、「日本市場は02年に世界のゲーム市場の50%を占めていたが、10年には10%にまで低下した」と報じている。日本市場の地位はここ10余年で急降下しているのだ。

 そのため、海外のゲームメーカーは近年、日本市場をかなり軽視している。その証拠に、マイクロソフトが13年11月22日に欧米ほか世界で発売したゲーム機「Xbox One」の日本発売は、遅れに遅れた9カ月以上あとの14年9月4日。「そもそも日本には海外ゲームメーカーの日本法人が少ないんです。『コール オブ デューティ』シリーズのアクティビジョン社も、08年に日本から撤退しました。そこそこ大きな作品であっても、日本では売れないからといって、日本語版を製作しない海外ゲームもあります」(吉田氏)。

 実は日本のメーカーであるソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)が発売したゲーム機「プレイステーション4」の日本発売も、北米リリース(13年11月15日)から約3カ月後の14年2月22日だった。国内メーカーまでもが国内市場を軽視しているのだ。
日本メーカーであるSCEでさえ、PS4の販売を遅らせるほど、日本市場は縮小している (BLOOMBERG/GETTYIMAGES)
日本メーカーであるSCEでさえ、PS4の販売を遅らせるほど、日本市場は縮小している (BLOOMBERG/GETTYIMAGES)
 海外製ゲームが日本で売れない理由の一つが、日本ではここ数年、据え置き型ゲーム機より携帯型ゲーム機が優勢であるという市場特性だ。

 00年代前半以降、日本では通勤や通学時に手軽に遊べる携帯電話のゲームや携帯型ゲーム機にゲームの潮流が移っていった。対する北米などでは車での通勤・通学が多いので、携帯ゲームは日本ほど浸透せず、リビングでやる据え置き型ゲーム機が根強い人気をキープし続ける。よって海外展開する超大作・話題作は基本的に据え置き型ゲーム機用として開発されるのだ。

 もう1点。特に00年代後半の米国において据え置き型ゲーム機は、単なるゲーム専用機とは思われていなかった。PS3やXbox 360といったゲーム機には、ネットフリックスやHuluといった映像配信サービスを受けられるアプリが用意されているため、「息子が買ったPS3で、父親が配信で映画を観る」といったシチュエーションが成立したのだ。いまだパッケージのDVDレンタルが主流の日本では、このようなことになりそうもない。