岩田温(政治学者)

 これは問題発言だろう。茨城県教育委員会の長谷川智恵子氏の発言だ。

 障害を持った子供が産まれてくる前に、事前に中絶、要するに殺してしまえという発言だ。中絶は殺人なのかという問題は、重要な問題で、今、考察を深めている最中だから、ここでは詳しく論じない。だが、この発言は看過できない。

「妊娠初期にもっと(障害の有無が)わかるようにできないのか。(教職員も)すごい人数が従事しており、大変な予算だろうと思う」

「意識改革しないと。技術で(障害の有無が)わかれば一番いい。生まれてきてからじゃ本当に大変」

「茨城県では減らしていける方向になったらいい」

 金のかかる障害者は存在そのものが負担だ。だから、茨城県ではこういう人が減ればいい。生まれてきてからでは「処分」出来ないから、生まれる前に「処分」してしまえ、ということだ。
 恐ろしい発言だ。よく、リベラルの人々が、他人を「ナチス」呼ばわりするが、この人物こそ、まさにナチス的な発想に基づいた危険思想の持主だろう。

 ナチスは、ユダヤ人殺害に先駆けて、障害者、LGBTの人々を殺害した。生きている価値がない劣った人間だというのが、その根拠だ。「優生学」を信奉する多くの科学者たちも、ナチスの政策を支持した。