児玉克哉(社会貢献推進機構理事長)


 小池百合子氏が東京都知事選で圧勝した。自民党、公明党の支援を受けた増田寛也氏は終盤追い上げながらも、及ばなかった。民進党、共産党、生活の党、社民党など野党の支援を受けた鳥越俊太郎氏は女性スキャンダルもあり、票が伸びなかった。鳥越氏は無党派層の支持を最も受けるのではないかと期待されたが、やはり女性スキャンダル問題が報じられると一気に勢いを落とした。小池氏の政党に頼らない姿勢は無党派層だけでなく、政党支持者にも評価された。閉塞感のある社会を変えて欲しいという期待感があるのだろう。

選挙事務所で万歳をする小池百合子氏
=7月31日、東京都豊島区
選挙事務所で万歳をする小池百合子氏 =7月31日、東京都豊島区

 また、都知事選に対する関心が高かったことと、投開票日の天気が「曇り時々小雨」で投票率が最も伸びるとされる状況だったことから、投票率が高かったことも小池氏には有利に働いた。ちなみに、大雨の時は明らかに投票率は落ちる。しかし、晴天の時は、レジャーなどに繰り出す人が多く、投票率は下がる傾向にある。投票所に行くには支障はないが、レジャーに繰り出すには微妙な天気が最も投票率が上がるとされる。本日の東京の曇り時々小雨は投票率には最高の天気であった。

 さて、これからの状況を展望してみよう。


都議会、自民党との対立

 

 小池氏は自民党東京都連会長代理でもあったので、本来ならばまさに身内的な関係のはずだが、自民党東京都連からは推薦をもらえず、都議会と自民党東京都連のやり方に反旗を翻す形となった。公約の一つも「『都議会のドン』やひと握りの幹部による都政運営を改め、都民のための『東京大改革』を進めます」というものだ。舛添前知事の時には議会は舛添知事の提案をほぼ完全にスルーさせ、異議を唱えることなく決定されるというスタイルであった。

 しかし、小池氏が知事に就任した場合、かなりの提案は否決されることが想定される。ただ、対立が顕著になると、世論は小池知事につくとみられ、議会も無茶なことはできないだろう。それとともに重要なのは、都議会選挙が来年予定されていることだ。都議は選挙対策を考えざるを得ず、やみくもに反対すると改革への「抵抗勢力」というレッテルを貼られる可能性がある。そして都議選以降、新生都議会ということで雰囲気は大きく変わるだろう。小池氏の都政運営に大きな支障になることはないと思われる。

 小池氏の任期は東京オリンピック直前までとなる。小池氏は東京オリンピックの半年前に辞めて、選挙とオリンピックが重ならないように工夫すればいいとか言っていたが、実際には法律を変えないと不可能なシナリオだ。知事が辞任して選挙となり、再選出されても、その人の任期は選挙をしなかった時と同じことになる。つまり、小池氏がオリンピック半年前に辞任して選挙で再選されても、また東京オリンピック直前に選挙をしなければならないのだ。ぎりぎり有り得るとすれば、東京オリンピックの半年前に都議会に対し知事の不信任決議を可決してもらい、選挙を行うというものだ。一種の「やらせ不信任決議」をしてもらわなければならない。これは極めて変な話だ。つまり1期目は東京オリンピックの直前までで、おそらく2期目の選挙があり、また小池氏が当選する確率が極めて高いということだ。余程のことがない限り、小池知事は2期8年の任期を全うすることになるだろう。