3 新しい人権に対処できない
 憲法が制定されて以降、環境権やプライバシー権、情報アクセス権など様々な人権が提起されてきましたが、日本国憲法には一文もそれらを保障する文言がありません。生存権(25条)や幸福追求権(13条)を援用して、これらを認める見解もありますが、そろそろ限界です。とりわけ情報アクセス権は、第4の権力とも言うべきマスメディアとの関係で、広く国民に認められるべき権利です。記者クラブという特権的な場所で、役人にサマリーを造ってもらって情報を垂れ流す。日本のメディアは、第二次世界大戦当時の大本営発表を垂れ流した新聞から、ほとんど進化していません。違うのは自民党政権の時には反体制ポーズをとるところだけです(政権がもっと独裁的な政権になれば、きっとそのポーズさえ取らなくなるでしょう)。
7月11日、自民党本部で記者会見に臨む安倍晋三首相(納冨康撮影)
7月11日、自民党本部で記者会見に臨む安倍晋三首相(納冨康撮影)
 こういうメディアしか持たない不幸を是正するために、国民が公権力にマスコミ同様、アクセスできる権利を憲法上保障する必要があります。現在も情報公開法や情報公開条例が存在しますが、それに携わっていた者として断言できるのは、役所の都合で情報などいくらでも隠せるという事です。それに一矢報いる武器になるのが憲法への追加だと思っています。

 以上、改正条項の改正、9条2項の一部削除、新しい権利(特に情報アクセス権)の新設。とりあえずは、この3つだけでも十分ではないでしょうか。

 国民に憲法改正も含めた民主主義を取り戻し、自衛隊による最低限の国土防衛を可能にし、21世紀にふさわしい人権を書き込む。

 極左の方々を除き、保守派もリベラル派もそれなりに納得でき、それなりに不満が残る内容だとは思います。でも民主主義社会の結論とはそういうものであり、その気持ち悪さに耐えることが成熟した民主主義を生むのだと思っています。