河治良幸(スポーツジャーナリスト)

リオ五輪サッカー男子・決勝。ドイツとのPK戦の末に優勝を決め、喜ぶブラジルのFWネイマール。上はGKウェベルトン=8月20日、ブラジル・リオデジャネイロのマラカナン競技場
リオ五輪サッカー男子・決勝。ドイツとのPK戦の末に
優勝を決め、喜ぶブラジルのネイマール=8月20日、
ブラジル・リオデジャネイロのマラカナン競技場
 リオ五輪は21日(日本時間の22日)の閉会式で全日程を終えた。サッカー男子の決勝は20日に行われ、開催国のブラジルがドイツと延長戦の末にPK戦を制して悲願の金メダルを獲得。最後にPKを決めたネイマールの涙は全世界に感動をもたらした。

 試合は1−1のまま120分で決着が付かず、PK戦で決着という形になったが、両チームともにレベルが高く、大会の中での成長を感じられる決勝だった。決勝の前日に筆者はJ1の浦和レッズ×川崎フロンターレを取材し、試合後にリオ五輪代表のキャプテンをつとめた遠藤航に話を聞く機会を得た。そこで大会で勝ち上がることがチームをより成長させるのではないかと聞くと、遠藤航は「だからこそ勝ち上がりたかった」と言葉に悔しさをにじませていた。

 振り返れば手倉森誠監督の率いる日本チームも3試合の中で確かな成長を見せ、3試合目のスウェーデン戦は手堅い内容ながら、しっかりと勝ち点3を取ることができた。しなし、同時キックオフで行われていたナイジェリア×コロンビアはすでに首位通過を確定させていたナイジェリアがコロンビアに敗れたため、日本の予選リーグ敗退が決まったのだ。

 初戦は最終的に銅メダルを獲得することになるナイジェリアとの試合だった。FWの久保裕也を直前にクラブの事情で招集できなかったこともあり、[4−3−3]というシステムで臨んだが、序盤に4点が入る流れから前半の終了間際と後半の立ち上がりに追加点を許すと、GK櫛引政敏のミスから5点目を奪われた。そこから諦めることなく浅野拓磨と追加招集の鈴木武蔵のゴールで1点差としたが及ばず、5−4で敗れてしまった。この試合で露呈してしまったのが世界大会の雰囲気とナイジェリア人選手のリズムにうまく対処できなかったことだ。

 1失点目は右ウィングのエゼキエルを中島翔哉と藤春廣輝が数的優位で突破され、ワイドからのシュートを櫛引が手前に弾いてしまったことが直接の要因だが、ゴールを決めたサディク・ウマルに決められたのは二列目から日本のペナルティエリアに侵入するMFのミケルを大島僚太が見逃し、そこにセンターバックの植田直通がチェックに行ったため、ゴール前のコースが空いてしまっていた。またゴール前に詰めていたサディクとオグヘネカロ・エテボが交差に動き出した時に、塩谷と右サイドバックの室屋成の対応が甘くなったこともある。つまり守備におけるあらゆる負の連鎖が生んだ失点だったのだ。