室伏謙一(政策コンサルタント)

 東京都知事選挙は、無所属で元環境大臣の小池百合子氏が291万2628票、得票率にして44.5%で圧勝した。

 小池氏の選挙戦、特に後半において顕著だったが、政策を訴え、それに賛同して支持者が集まるというよりも、「百合子グリーン」と称して緑色のものを身につけたり手に持ったりして、一体感が醸成され、それに加わりたい人、人が大勢集まり熱気に包まれているのでそれに引き寄せられてきた人、そうした人達の集合体が小池氏の街宣車を取り巻いているといったもの。
緑色のポロシャツを着たスタッフと小池百合子氏=7月14日、東京・池袋駅前
緑色のポロシャツを着たスタッフと小池百合子氏=7月14日、東京・池袋駅前
 選挙というより人気芸能人のイヴェントにファンから野次馬までが集まっているといった方がいいような状態であった。(熱が冷めて、落ち着いた心境に戻った時、「ファン」達は何を思うのだろうか?)

 何はともあれそうした「ファン」に支えられて小池氏は当選し、都知事に就任したわけであるが、選挙戦で声高らかに主張していた都議会との対決は鳴りを潜め、協調路線に変わっている。首長と地方議会は二元代表制とは言っても、是々非々で、時には協調することがあってしかるべしであり、程よい緊張感の下であれば協調路線自体は悪いことではない。

 しかし、この豹変ぶりというか路線変更、最初からそのつもりだったのか、それだけ状況に流されやすいということなのか。小池氏の選挙戦を見ている限り後者のようにも見えるが、筆者は別の見方をする。すなわち、最初から都議会と対決するつもりなどなく、自民党と対決するつもりもなかったのではないかということ。

 まず、自民党東京都連幹事長の内田茂都議、「都議会のドン」とも呼ばれ、選挙期間中に週刊誌で内田氏を巡るスキャンダルが報じれらたことも受けてか、小池氏の都議会批判における格好の標的になっていたようで、小池氏が各会派への挨拶回りをした際にも対応しなかったと報じられている。そもそも都議会自民党自体が小池氏を敬遠しているようであり、小池氏側から融和を求めても都議会自民党がそれに応じない、したがって結果的に対立することになるのではないか?というのが大方の見方だろう。

 しかし、都議会自民党からすれば公認しなかった候補に大差をつけられて敗北したところ、そう簡単にヘコヘコ「よろしくお願いします」とも言えまい。しかも都議会自民党が一枚岩とは限らないし、党本部と同じ認識とも限らない。むしろ時限的、局地的話なのではないかと思う。喉元過ぎれば熱さ忘れる、ではないが、気がつけば仲良く協調体制ということになっているのではないか。

 さて、次の点、その小池氏、就任早々、公約に掲げていた「都政大改革」のうち、情報公開の徹底と東京オリンピック関連予算等の検証のため、「都政改革本部」なるものを設置する方針を示した。この組織、小池知事を本部長として有識者や都議等で構成される本部の下に、情報公開と東京オリンピックの調査のためのチームを設けて調査等を進めるというもので、必要に応じて他の事項についてのチームも設けることとされている。