佐藤敦規(ファイナンシャルプランナー)

 ようやく仕事が終わった。今日も残業だった。電車のつり革につかまりながら、スマートフォンでSNSを見る。タイムラインに表示される文言に反応してしまったことはなかろうか?「平凡なサラリーマン(OL)だった私が、副業を始めたおかげで今では信じられないようなお金と自由な時間を得ています。ほんの少しの勇気を出して一歩を踏み出してみませんか!」

 副業といっても会社の勤務が終わった後、アルバイトをすることではない。権利収入(過去の努力や働きが反映される)獲得を目指すもので、ネットワークビジネスとネットビジネスが中心である。我が子がネットワークビジネスに熱中するあまり、会社を辞めると言い出したらどう説得するのか。あるいは目をかけていた後輩や部下が仕事に身が入らなくなったとき、あなたはどう声をかけるのか?

就職したての若者が参加しやすいネットワークビジネス

 権利収入といっても色々なものがあるが、ある程度の元手が必要な不動産投資などと比較すると交友関係を元に始められるネットワークビジネスは、若者にとって敷居が低いのかもしれない。就職して間もない時期であれば、学生時代の友人との付き合いも密である。筆者が異業種交流会などに参加すると、副業、本業を問わずネットワークビジネスをしている若者によく出会うことがある。
 ネットワークビジネスの特徴は、連鎖販売取引(Malti-level Marketing)と称されるもので、問屋や小売店などの流通経路を通さない販売方法とテレビCMや新聞の広告に頼らない口コミによる宣伝方法である。勤務後や週末に行えば、本業の仕事と両立できる。副収入を得て、精神的な安定や物質的な満足感を得た人もいるであろう。

 とは言え、ネズミ講と間違えられるなど世間的な評判は悪い。また販売対象を身近な友達から始めるため、人間関係に罅が入るケースもある(生命保険の営業方式と類似している)。販売のための交通費や交際費もそれなりにかかるので商品を購入して勧誘する人を見つけることができなければ、副収入どころか、マイナスになりかねない。


まだまだ魅力的なネットビジネス

 ネットビジネスとは、インターネットを介して収入を得るしくみである。広義で捉えるならば、有料ブログやWebデザイナーなども該当する。ただし芸能人やスポーツ選手ならともかく、無名な人がブログで稼ぐのは難しい。趣味で動画を作るのと異なり、継続的にお金を稼ぐのがそれなりに経験やスキルが必要だ。誰でも簡単に参入できない。

 代表的なのはアフリエイトや物販である。これなら隙間時間を利用して気軽に始められる。しかしそれほど稼げない。この分野で成功しているのは、金儲けのノウハウや株価の予想、ギャンブルの必勝法、異性にもてるための情報などをまとめた情報商材の販売である。一昔前、ネオヒルズ族などともてはやされた与沢翼氏もこの情報商材により、有名になったと言われている。商材を元にした高額な有料セミナーなどを開催し、定期的にお金を儲ける仕組みを作っている。与沢翼氏のような人を情報起業家(インフォプレナー)とも呼ばれている。