猪野亨(弁護士)

  年金積立基金の2016年4~6月期の運用実績が5兆2342億円の赤字だそうです。とてもひどい数字です。リスクの高い投資先の割合を増やした結果がこれです。2015年度(2015年4月~2016年3月)は5兆3098億円の赤字でした。合計すると、何と10兆5434億円です。
 英国のEU離脱という国民投票の結果が影響を与えたとかいう分析など全く意味がありません。年金基金の運用ですから、結果だけが求められます。ハイリスクなものに投資する以上、結果が出て当然であって、失敗したらその損失を補填する責任があるというべきものです。自分のカネではなく国民共有の資産ですから、どのような事情があろうとも責任は免れないのです。「年金基金の投資・運用は年金を破綻させるだけ

 さて、安倍氏らは、この赤字をどうやって埋めるのですか。2016年年度の6月までの運用実績については、自民党政府は、参議院選挙の7月10日前には発表せず、姑息な選挙対策をしていました。累積10兆円もの赤字を出していたと知れたら、それこそ選挙結果がどうなっていたのかということです。年金のようなものは、本来は、現役世代が高齢世代を支えるものであって、その支える水準はどう考えても現役世代の生産力に規定されます。

 その生産力も子どもであったり、障がい者であったりと生産労働に従事しない層のためにも振り向けなければなりませんから、高齢者だけを優遇というわけにもいかないことは当然のことです。「高齢者に対する3万円のバラ巻き補正予算が成立 若者は選挙に行かないし、と馬鹿にされたままでいいのか

 いくら財源が足りないからといって株式投資のようなハイリスクの運用が許されるはずもなく、安倍自民党のやったことは、犯罪的です。10兆円の穴埋めをしようとすれば、これまで以上に株式投資やらさらにハイリスクの投資ということにならざるを得ません。ギャンブル依存症の最悪の例が安倍自民党政権ということになります。どうりで安倍政権がカジノ構想に前のめりになるわけです。