谷本真由美(コンサルタント兼著述家)

 2016年8月18日の午後7時から放送したNHKのニュース内 「子どもの貧困」が取り上げられました。貧困に悩む日本の若者や子供の実態を取り上げた大変画期的な試みです。

 このコーナーでは、実際に貧困に悩む女子高生が実名で登場し、自宅の様子や進学に関する悩みを訴えました。

 彼女は母子家庭で、アルバイトのお母さんと暮らしており、家にはエアコンがありません。イラストレーターの道に進むのが夢ですが、進学費用の50万円が出せない事に悩んでいます。学校の「情報」の授業で必要だったパソコンが買えなかったので、その代わりに、1000円ぐらいのキーボードを買って、タイピングに練習をします。

 この女子高生は、横浜市で学生たちが企画したイベントに出席し、貧困の子供代表として壇上に上がり、実体験に沿った状況を訴えました。

 しかし、その後ツイッターで好きなアニメのグッズを買っていること、エグザイルのコンサートに言っていること、高価なペンを持っていること、1000円のランチを食べていることが発信されていることがわかり、ネットユーザーが叩き始めました。

 ニュース内で写った自宅にはたくさんの物があり、アニメグッズなども持っていることも批判されました。そういう風にグッズを買ったりイベントに行くことができるのなら、パソコンも買えるし、貯金して進学すればいいじゃないかという批判です。

 そのうちネットユーザーだけではなく、自民党の片山さつき議員まで介入してきて、NHKにこの女子高生は本当に貧困なのかどうか問い合わせる自体になり、女子高生の自宅の住所や写真をネットにアップするという嫌がらせが始まりました。
片山さつき参院議員(酒巻俊介撮影)
片山さつき参院議員(酒巻俊介撮影)
 私もこのニュースの放送部分をネットで見ましたが、女子高生に嫌がらせしていた人々は、重要な情報を見落としています。

 それは、日本における貧困の実態です。