【上海=河崎真澄】中国では2004年の「偽粉ミルク」事件で乳児が多数死亡したほか、08年には冷凍ギョーザへの殺虫剤「メタミドホス」混入で、輸出先の日本で健康被害を引き起こす中毒事件が発覚。12年には中国で抗生物質を投与された危険な鶏肉がケンタッキー・フライド・チキン(KFC)に納入された事件も明るみに出た。

 度重なる食品の問題で再発防止が叫ばれてきたが、今回の使用期限切れ鶏肉の供給問題で、中国における安全に対する認識の乏しさや、消費者の健康を顧みない利益優先の姿勢が改めて浮き彫りになった。

 今回問題となった「上海福喜食品」が23日までに衛生監督当局に提出した顧客リストには、中国国内のセブン-イレブンやスターバックス、ピザハット、KFCなど約150の社名が記されていた。

 中国内の販売先は上海や北京など20以上の省や市に及び、健康被害への懸念が広がっている。

 また23日付の上海紙、東方早報は、冷凍設備のない倉庫で他社から納入された鶏肉を、上海福喜食品が自社製品とA見せかけて出荷する工作が行われていたと伝え、組織的関与を強く示唆した。カビが生えた牛肉を再加工した製品も出荷していたとの報道もあり、捜査当局は問題の商品の流通ルート特定を急いでいる。

 上海福喜食品は米イリノイ州の食肉大手OSIの子会社で、系列工場が山東省や雲南省などにある。食品業界関係者は、「ファミリーマートなど日本企業は、米国系の工場なら中国製でも品質に問題ないと考えていたのではないか」と話している。

 23日付の中国英字紙チャイナ・デーリーは、「外資の危険な行為が見逃されるべきではない」と批判。“外資たたき”による責任転嫁の一面ものぞかせた。