平本淳也(元ジャニーズ所属タレント)

 騒動というレベルを超越したSMAP解散の話題は、ワイドショーの枠を飛び越えてメディアを問わないニュースとして世間をにぎわせた。そう、これは相当な事件といっていいだろう。実に話題は日本のみならずイギリスやアメリカの有名媒体までもが深い興味を示した世界注目の未解決「事件」だ。

 その真相を探るべく各メディアが書き回る中で渦巻いた疑惑や疑問、はたまた「戦犯は誰だ」というゲームにも似た個人のツイートは、一種の遊び感覚であろうかと思えるほど、どこか楽しんでいる様子もうかがえたが、心からSMAPを愛して応援してきたファンにとってはどれもが許せない行動だろう。

 無責任に飛び交う情報や記事にはうんざりしている。過去を掘り返して当時はどうこう、メンバー同士が殴り合ったとか逆に仲が良かったとか、そんな過去のどうでも良い話から、ジャニーやメリー、ジュリーが飯島がと、事務所トップ批判やメンバーを「悪者」として責める言葉も多かった。ファンにしてみれば、ようやく出された当のメンバーらのコメントでさえ、いまだ納得いかないのではないだろうか。

 今年7月、ファンクラブの更新手続きの案内が届いたと思ったら、間髪なく「解散のお知らせ」がポストに入ったファミリークラブ会員の方々はどう受け止めただろう。解散騒動の最中に「更新」となれば、大喜びで安堵しただろうが、わずか数週間後に届いたハガキには「解散」というショック以外の何物でもない大きな二文字が並んだ。

 ジャニーズ事務所(ジャニーズファミリークラブ)公式の案内である以上、週刊誌やスポーツ紙のような嘘偽りを感じさせないが、それでも信じたくないという現実逃避から「購買運動」に走った全国のSMAP信者たち。幾度となくオリコン1位を記録している2003年発売のSMAP代表曲『世界に一つだけの花』が再びトップを飾り、100位までに10曲近くがランクインする異例の事態が勃発したこの夏。そのすべての始まりは、1年半前のあの出来事だった。

 昨年1月に発売された『週刊文春』の記事からそれは始まった。僕も携わったSMAP解散の発端となる出来事は、事前に質問状を用意した文春の取材準備が思わぬ方向に一転したところから今に至る。この質問状に「私が自らが答える」と登場したのが、天下の女帝「メリー喜多川」(メリーさん)である。これには誰もが驚いた。雑誌の取材に副社長のメリーさんが出てくるというのは、これまでだったらあり得ないことである。過去にメリーさんを特集した雑誌もあったが、筆者の記憶では後にも先にもそれ以外にメリーさんが取材を受けたことはない。ジャニーさんならメディアを集めてコメントを発したり、記事や媒体の企画ごとにプロデュースや演出だって行う術を持ち合わせてはいるが、ここでまさかのメリー登場に正直誰もが仰天した。そして、その記事のタイトルも『ジャニーズ女帝 怒りの独白5時間』である。