藤本幸久、影山あさ子(映画監督)

 沖縄の辺野古と高江で激しい攻防が続いている。現地に泊まり込みでカメラを回し続けている森の映画社の共同監督2人が、大手メディアを含む現場での取材状況を語った。

 都内の映画館「ポレポレ東中野」に森の映画社の藤本幸久さんと影山あさ子さんを訪ねた。二人が共同監督を務めたドキュメンタリー映画「圧殺の海 第2章『辺野古』」の話を聞くためだった。この映画の前作「圧殺の海」は2014年7月の辺野古の新基地建設着工から11月の翁長知事誕生までを撮ったものだが、今回の作品はそれ以降、今年3月4日の代執行訴訟の和解までを撮影したものだ。

 地元住民がゲート前で反対運動を繰り広げたり、カヌーを繰り出して海上で抗議行動を行う攻防戦を至近距離から撮影した迫力ある映像だ。カヌーからの撮影者がカメラもろとも海に投げ出され、突如画面が水中の映像に切り換わる場面もある。 

 この第2章の上映が続く間も、藤本さんたちは沖縄でカメラを回し続け、第3章を撮影していた。さらに沖縄本島の高江のヘリパッド建設予定地をめぐる反対運動も撮影しており、それは「高江―森が泣いている」というタイトルで9月20日から大阪で公開され、10月からは東京でも上映される。通常、ドキュメンタリー映画は撮影終了から公開まで半年以上かかると言われるが、緊迫の度合いを強める沖縄の実情を少しでも早く多くの人に伝えたいという思いで、藤本さんたちは、第2章の自主上映を全国に広げると同時に次回作を緊急上映するというスケジュールを組んだ。激しく揺れ動く沖縄を撮り続ける藤本さんと影山さんに、現地での取材状況を聞いた。

沖縄北部「高江」に機動隊が大量投入


 藤本 私たちは2014年7月1日の辺野古着工からほぼ毎日、辺野古を撮影しながら、上映・宣伝も自分たちでやってきました。当初は3月の和解の後、最高裁の判決が確定するまでは、少し時間的余裕もあるだろうから、その間に全国のキャラバン上映をやろうと思っていたんです。同時に、第2章の英語版と中国語版と韓国語版を作っています。韓国や台湾、アメリカで上映し、安倍政権が「沖縄に寄り添う」と言いながら、実際はどういうやり方をしているのかをワシントンの議会関係者たちやアメリカのNGOの人たちにも知ってもらおうと思いました。

 しかし、その一方で今、沖縄本島北部の高江に機動隊が大量に導入され、むちゃくちゃなことがやられている。ですから、この間、高江でもカメラを回し、その映画「高江―森が泣いている」を9月20日から大阪で、10月15日から東京のポレポレ東中野でも上映します。それも早急に英語版を作って、年内に辺野古と高江の基地建設がどのように行われているかを、日本全国で自主上映を展開しながら、アメリカや近隣諸国も含めて見せていこうと考えています。
映画「高江ー森が泣いている」より
 ただ、思いのほか裁判の進行が速い。証拠証人調べもなく、7月の裁判の時に9月16日の判決まで提示されるという進行です。9月16日以後は少なくとも陸上工事は再開したいと言っていますから、辺野古の方も機動隊を動入しての工事再開が行われるだろうと思います。今回は本当に沖縄の将来や日本の先行きに大きく関わってくることなので、辺野古に1軒宿舎を借りて、24時間365日撮影に入れる体制を作っています。そこを拠点にして、2014年3月以後ずっと誰かが現地にいるようにして、撮影を続けてきました。