宮城栄作(沖縄タイムス東京報道部長)

―沖縄の高江でヘリパッド建設をめぐって住民と機動隊とが激しく闘っていることが、SNSなどで漏れ伝わってきます。でも在京のメディアではそう頻繁に報道されないため、東京では「高江」といっても知らない人が多い。そういう沖縄と本土の温度差をどう考えるのか、沖縄の地元紙はどんな取材・報道を行っているのかお聞きします。

 まず高江での取材ですが、地元紙は現場に張り付いて取材しているようですが、東京からマスメディアが取材に行っているという状況ではないわけですね。筑紫哲也さんが健在だった頃の「NEWS23」とか、昔は在京メディアももっと沖縄を取材していたような気がしますが。

宮城 東京からメディアが取材のために頻繁に高江へやってくるという状況ではないと思います。沖縄のことを報道するのも、例えば自衛隊のヘリコプターが資材の搬送に使われたとか、そういう大きな動きがある時だけでしょう。それもテレビは地元の系列局が取材した映像を使っているのではないでしょうか。キー局からわざわざ取材に来るというのは、テレビ朝日の『報道ステーション』とTBSの『報道特集』の金平茂紀さんくらいじゃないですか?

 それは、沖縄をめぐる構図というか、沖縄についての認識をどう持つかということだと思うんですよね。私たち地元紙は、過重な基地負担がある上に、更に住民の生活が大きく脅かされようとしていることについては、地元の人の生活や人権、また地方自治に関わるという普遍的な価値の問題として捉えているわけです。
ヘリパッド建設に反対する人々を規制する警察官ら=7月22日、沖縄県東村高江
ヘリパッド建設に反対する人々を規制する警察官ら=7月22日、沖縄県東村高江
―沖縄の地元紙2紙は、いま高江に連日、現地取材を行っているわけですね。

宮城 毎日行っています。朝6時頃から、一人は必ず現場にいるようにしています。そしてツイッターとかで現場から状況を発信しているんです。取り組みはどの部署というより編集局全体でやっています。ローテーションを組んで、今日は何部が行く、明日は何部が行くと毎日、現場に行っているんです。北部支社もありますし、中部支社もあるので、そこから行く記者もいるし、那覇から行く記者もいます。

 高江は地理的にも那覇から遠いですから移動も大変です。それでもやはり反対する市民たちがいて、警察や機動隊とやりあっているわけですから、その現場で起こっていることを伝えるのは地元紙としては当然の務めです。

 8月20日にその現場に行っていた記者を機動隊が拘束し、車と車の間に押し込んで取材妨害するという事件が起きました。腕章をつけ、記者証も示して、取材活動であることを告げているのに拘束されたわけです。