安倍晋三・首相は、伊勢志摩サミットで来日したオバマ米大統領と固い握手を交わした。「強固で対等な日米同盟」が世界にアピールされたが、日米関係の実像は戦後70年以上が経ってなお、「占領軍とその属国」ではないのか──米国との“不平等条約”をひもとくと、そんな現実を突きつけられる。

 1960年の日米安保条約締結と同時に交わされた現在の日米地位協定(前身は1952年の日米行政協定)について、在日米軍基地問題に詳しい沖縄国際大学教授の前泊博盛氏が解説する。
日米地位協定における米軍属の範囲見直しについて話し合われた両国間の会談。右側手前から5人目は岸田外相、左側手前から5人目はケネディ駐日米大使=7月5日、飯倉公館
日米地位協定における米軍属の範囲見直しについて話し合われた両国間の会談。右側手前から5人目は岸田外相、左側手前から5人目はケネディ駐日米大使=7月5日、飯倉公館
「在日米軍の地位と権利を定めたのが地位協定です。米軍人・軍属の公務中の事件や事故については日本の法律は適用されず、米軍法の裁判権が適用されるという“不平等条約”の側面がある。米兵たちを守るための約定ともいえます」

 今回の事件は「公務外」とされ沖縄県警が身柄を確保できたが、協定の矛盾がクローズアップされたのが1995年に沖縄で起きた米海兵隊員らによる少女集団暴行事件だった。協定に基づき、米側は起訴前の容疑者の身柄引き渡しに応じなかった。

 その対応への県民の猛烈な反発を受け、殺人や性的暴行などの凶悪犯の場合は米国政府が「好意的配慮を払う」と一部運用の見直しが行なわれた。