小笠原誠治(経済コラムニスト)


 欧米市場の流れを受け、そして、円高、原油安もあり、本日は株価が下がるだろうと思っていましたが…こんなに下がるとは。

 この流れだと、日経平均は再びNYダウを下回るかもしれませんね。

 それから、本日、長期金利が一時0%に達したとされています。

 10年物国債を購入しても、利回りはゼロですか。

 いずれにしても何故こんなにも株価が下がるのかと言えば…

 本日、銀行株が大きく値を下げているようで、それは欧州の流れを受けたものではないかと見られるのです。

 特に、ドイツ銀行の株価が急落しているようで…8日には10%ほど下落し、年初からの下落率は40%近くになっているようなのです。

フランクフルトにあるドイツ銀行の本部(AP)
フランクフルトにあるドイツ銀行の本部(AP)
 では、何故ドイツ銀行の株価が下がるかと言えば…

 多数の訴訟案件を抱えており、損害賠償が多額に及ぶ恐れがあることや、原油価格の低下のためにエネルギー産業向けの融資が不良債権化する恐れがあること、さらには、ECBのマイナス金利政策のために、利ザヤが稼ぎにくくなっていることなどが理由だとされています。

 で、その結果、資金繰りがタイトになる恐れがあり、ドイツ銀行が発行している偶発転換社債(CoCo債)の利払いが来年以降難しくなるのではないかという観測が強くなっているのです。

 因みに、何故CoCoと言うかと言えば…カレー屋とは関係なく、Contingent Convertible Bondsの略なのだとか。

 さらに参考までに言っておくと、CoCoは、発行者の自己資本比率が一定の水準を切ると、自動的に株式に転換されてしまうのだとか。つまり、お金はもう返ってこないのです。怖いですね。

 ということで、CoCo債の価格も昨年の12月には93程度あったものが、昨日は75程度まで落ちているというのです。

 信じられますか?

 ドイツ銀行と言えば…誤解のないように言っておきますが、ドイツ銀行はドイツの中央銀行ではありません。しかし、ドイツを代表する、否、世界的な大銀行と言っていいでしょう。

 そのドイツ銀行の債券がデフォルトの可能性に晒されているなんていう訳ですから、これはただ事ではありません。

 ただ、フォルクスワーゲンがあのような不祥事を起こす昨今ですから、今や何が起きてもおかしくはないのでしょう。

 ところで、上に述べたドイツ銀行を含む欧州の銀行にとってマイナス金利政策が重荷になっているという話ですが…何故そのようなことが起きているかと言えば…預金金利については、預金者の反発を恐れ、マイナスにすることが困難である一方、貸出金利が下がっているので利ザヤの確保が難しくなっているというのです。

 でも、それが本当だとすれば、日本の銀行の株価が下がるのも頷けるところです。

 ついでに言えば、欧州ではマイナス金利政策のなか、銀行は利益確保のために貸出金利をむしろ上げる動きがでてきているとも。

 日本のマイナス金利導入は、本当に魔の悪いときに行ったと思います。

(2016年02月09日「小笠原誠治の経済ニュースゼミ」より転載)