2021年の春入試から、東大を含めたすべての国公立大学の入試がAO入試化され、ほとんどの大学で入試面接が課される。

 私が問題だと思うのは、このような流れにほとんどの国公立大学の教授たちは歓迎の方向になってはいるが、ある事実を隠蔽していることだ。

 それは、海外の名門大学のAO入試では、教授たちとは独立した第三者機関であるアドミッション・オフィス(これがAOである)があり、面接は教授でなく面接のプロが行う。そうしないと教授に逆らわないおとなしい学生ばかりが入り、学校が活性化しないと思われているからだ。

 こういうことは聞いたことがない人がほとんどだろうが、おそらく海外の学問事情にくわしい大学教授たちの中では知っている人が少なくないはずだ。

 海外の成功事例を議論の対象にしないで、身内でなんでも決めてかかろうとする(都庁の役人と似ているように感じるのは私だけだろうが)入試面接など信用できないし、教授に逆らえないような人間ばかりが入学してくるような大学では、ノーベル賞が生まれるとは思えない。

 大隅氏が留学を勧めるように、日本のノーベル賞学者のほとんどは海外で、自由な研究を経験してきた人か、大学よりヒエラルキーが緩い企業研究者だということを忘れてはならない。

 ついでにいうと、日本の国立大学を出た人は基礎学力が高いせいか、海外の大学院で落ちこぼれるという話はほとんど聞いたことがないし、逆に海外で初等中等教育を受けた日本人や日系人がノーベル賞を取ったことはない。