ケント・ギルバート(米カリフォルニア州弁護士)

どの局も同じような報道


 40年以上前に初めて日本にやって来て、徐々に日本語がわかりはじめるようになったころ、最初に不思議だなと感じたことの一つが、日本のメディアがあまりにも共産党や社会党を持ち上げ、あるいはソ連や共産中国(PRC)を賛美していることでした。

 アメリカでは、共産主義活動が連邦法で禁止されていますからね。日本は自由主義と民主主義を採用した西側諸国の一員であり、政府自体も安定した自民党政権なのに、なぜテレビや新聞は左翼ばかりを賛美しているのか、理由がわからなかったのです。

 実際、テレビ放送でも、圧倒的多数の支持を誇っていた自民党の発言機会は少なく、社会党の主張に多くの放送時間が割かれており、自民党が何か一言発すると、社会党には反論をする時間が10倍ぐらい与えられている感じがしましたし、新聞媒体なども大半が左翼的な意見で埋まっていました。メディアはあからさまな意図をもって左翼思想を喧伝していました。その結果、日本人の多くは保守政権を支持しながらも、自由主義と民主主義の解体を目論む社会党・共産党に対して、それほど警戒感をもたなくなったのではないかと思います。

強大な権力を背景に、戦後の日本の民主化政策を
推し進めた連合軍総指令部(GHQ)
 その主な原因は、戦後、GHQ(連合国軍総司令部)がWGIP(ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム)を通じて、日本人に「自虐史観」と「東京裁判史観」を効率よく刷り込んだことでした。左翼人士は大手メディアや教育界、法曹界を通じて日本人全般を洗脳し弱体化させることで、わが世の春を謳歌することができたのでしょう。

 他方、アメリカではメディアが非常に発達しています。ユタ州にある拙宅では、ケーブルテレビの基本契約をしただけで400チャンネルくらいの視聴が可能です。だからこそ、メディアに対して疑問を抱く習慣も発達しています。政治的見解などは、放送局によっていうことがバラバラなので、疑問をもたざるをえないという側面もあります。たとえば、CNNとFOXニュースを見比べたら、「どっちの話が本当なの?」と誰でも考えます。

 一方の日本では、NHKとTBSがまったく違う見解を報じたりはしません。私にいわせれば、どの局も気持ち悪いくらい同じような報道ばかり行なっています。世の中ではもっとさまざまな出来事が起きているはずなのに、報じられるニュース内容はどの局も不思議なほど同じで、放送の順番までそっくりです。