大石哲之(ティンバーラインパートナーズ代表)

 今朝は、武蔵野大学の教授のコメントで炎上をしているのをみて、すっかり釣られてしましました。
 電通の自殺報道は知らなかったので、一般論としてコメントを解釈したのですが、一般論でいいますと、正しいとおもいます。何処の国でもエリートは100時間くらいの残業というのは普通で、というより、残業代がつかない働き方が一般的です。教授の話は、エリート向けと考えればおかしくはないでしょう。

 問題は、日本の労働制度が、向上心のあるエリートと、1日8時間きっちり働いて賃金貰えれば別にいいという層を区別しておらず、なんだかんだで全員「幹部候補生」とかいって、それを餌に、長時間労働をごまかしていることです。といっても、こんどは、エリートとノンエリートを明確にわけてしまうと、格差社会だみたいな横ヤリが入ってしまうので、なんとも難しいわけですが、私は、もう分けたほうがいいと思っている考えです。

 ノン・エリートにサービス残業を強いる一方、エリートが残業代をもらえて時間管理になっていたりする労働環境は、どちらにとってもよろしくないわけです。ノンエリートは悲惨だし、エリートのほうも生ぬるい環境で国際競争力がつくはずもなく。といった話をしていると、どうも、電通の新入社員の女性が過労死したという話を読みました。

 母子家庭で、親孝行しようと東大に入り、電通に入ったところで自殺というのは、大変痛ましく、心からご冥福をお祈りします。この女性の事情が実際にどうだったかのかは知る由もないので、以下、一般論としてということを明記しておきますが、やはり、自殺というのは単純な労働時間だけではないようにも思います。

 私が新卒で入りましたコンサル会社は当時は激務で、徹夜して仕上げた資料が価値がないとゴミ箱に捨てられる現場や、日付をまたいでから、翌日の朝のミーティングのための資料作りの会議を始めるといったこともあり、ピーク時は睡眠時間数時間に、徹夜も織り交ぜ、なかなかの過酷な環境であったことは確かです(なお、現在は相当に労働環境は改善されていると聞き及んでいます)。そして、このレベルの労働は、コンサルや外銀にかぎらず、そんなに珍しくないと思うんですよね。

 それで、体を壊したりする人も居たのですが、知る限り自殺者は出なかったような気がします。というのも、そういう状況になると、(体を壊して)休職したり、(ついていけないと)辞める人が多かったからです。