THE PAGEより転載)
 このところ何かと話題になるNHKですが、誰もが知っているテレビ局である一方、どのような組織なのか、その実態はほとんど知られていません。

 NHK(日本放送協会)は、放送法に基づいて設立された特殊法人です。かつて日本にはNTTの前進である日本電信電話公社、JTの前進である日本専売公社、JRの前身である日本国有鉄道など、数多くの特殊法人がありました。しかし、一連の特殊法人改革によって、その多くが民営化され、日本郵政グループ(前日本郵政公社)の上場も目前となっていますから、日本年金機構など一部の例外を除くと、旧来の体制を維持しているもっとも大きな特殊法人のひとつということになるでしょう。またNHK本体とは別に、制作会社であるNHKエンタープライズ、NHKエデュケーショナルなど子会社・関連会社を17社所有しており、NHKグループを形成しています。

 NHKは公共放送という位置付けになっており、国営放送とは明確に区別されています。理屈の上では政府の仕事を行っているわけではありませんが、受信料の支払いが義務付けられていることから、公金で運営されているという解釈になります。したがって、NHKの予算は毎年、国会の承認を得ることになっています。監督官庁ではなく国会の承認を得る仕組みになっているのは、行政府とは独立した組織になっていないと報道の中立性を保てないからです。
[グラフ]NHKの業務別予算(単体)「平成26年度収支予算と事業計画」から転載
[グラフ]NHKの業務別予算(単体)「平成26年度収支予算と事業計画」から転載
 NHKの予算はかなり巨額なものです。2014年3月期おける連結事業収入(民間の売上高に相当)は約7400億円もあり、このほとんどが国民からの受信料です。ちなみに地上波大手の日本テレビホールディングスの売上高は約3400億円ですから、2倍以上の規模があります。

 職員数は約1万人を超えており(NHK本体のみ)、こちらも日テレの2倍以上あります。NHK職員の平均年収は財務諸表上では1200万円程度と計算されますが、手当などを含めた年収は1500万円に達するとの報道もあります。これは民間のテレビ局などに匹敵する水準と考えてよいでしょう。

 ちなみにNHKは受信料の徴収業務の多くを外部に委託していますが、こうした徴収業務にかかる費用は580億円に達します。6400億円の受信料を確保するために、580億円の費用をかけているのですが、この金額の妥当性はもっと検証されてもよいでしょう。
 NHKが国営放送ではなく独立性を持った公共放送であることには、それなりの意義があります。しかし、公共放送としての体制を維持していくためには、国民から理解され、支持されることが重要です。その意味で、より多くの人がNHKの経営実態をもっと知る必要があるでしょう。(The Capital Tribune Japan)