早川忠孝(弁護士)

 8月17日の読売朝刊に重要な記事が掲載されていたことを皆さんご存知だろうか。後追い記事が出るかと思っていたが、どうも他の新聞社から何の記事も出ていないようなので、注意喚起のためこの一文を書いておく。

 読売の記事に書いてあったことは、「超党派の「親子断絶防止議員連盟」(会長・保岡興治元法相)は未成年の子供がいる夫婦が離婚後、親権を持たない側と子供の定期的な面会を促すことを柱とした「親子断絶防止法案」の原案をまとめた。議連は、自民、民進、公明などの各党議員で構成し、議員立法として秋の臨時国会での共同提出を目指す。」ということだ。

 親子断絶防止議員連盟なる超党派の議連があるということを知らなかった人が多いから大して世間の注目を浴びなかったのかも知れないが、超党派の議連が親子断絶防止法案まで作成している、ということは、世論が支持さえすればあっという間にこの法律が成立する可能性が出てきた、ということである。議連がどんな法案を作成しても、世論が支持しなければまず成立しない。
写真はイメージ
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 超党派の議連が出来ている、というのは、政党間でのコンセンサスはほぼ出来ており、この法案が政争の材料になる可能性はほぼない、ということだ。議連の会長が元法務大臣の保岡さんだというのがいい。元裁判官で弁護士、しかも法務大臣経験者の保岡さんが主導しているのだから、法案の内容について法務省サイドでは特に異論がないのだろう、ということが窺われる。

 裁判所がどういう対応をするのかまだ見えないが、最高裁は国会でこの法律が成立すれば、この法律の趣旨に沿った運用を始めるはずである。末端の裁判所でこの親子断絶防止法案がどの程度認識されているか分からないが、親子断絶防止法が成立すれば最高裁が動くはずである。家族法の分野が、今、大きく動こうとしている。多分、裁判所はそのことを意識し始めているはずである。