小紫恵美子(OfficeCOM代表、中小企業診断士)
        


 日曜日夕方6時半、国民的アニメ「サザエさん」の時間です。息子とテレビを見ていて、目を疑いました。サザエさんが、スーパーに働きに出るとのこと。タイトルは「スーパーのお姉さん」(2015/04/26)です。

すでに「サザエさん」の家庭像は「多数派」からはずれている。

 平成24年版男女共同参画白書によれば、平成23年時点で、共働き家庭は987万世帯に対し、雇用者と無業の妻の家庭が773万家庭となっています。平成9年以降、一貫して共働き家庭が上回っており、その差は広がってきています。また、これ以外に単身の家庭が増えているのも皆さんご存知のとおりです。
 配偶者がいる雇用者の世帯のおよそ56%、半数以上が共働きになっているにもかかわらず、サザエさんが未だに基本的には働きに出ないでいることに、ずっと、違和感をもっていました。お手伝いさんとして働きに出たことが過去にはありましたが、国民的アニメなら、現在の多数派の働き方が反映されていたほうがよいのに、と思っていたからです。

しかしその後の展開が残念なことに。

 当のサザエさんは2日ほど、店頭販売やバックヤードで奮闘、ギョウザの店頭販売では黒山の人だかりをつくる大活躍をみせてくれます。このまま順調にいくと思いきや、なんと、「タラちゃんが寂しそうなのと、働くには体力が必要」という理由であっさり辞めてしまうのです。

 これは、国民的アニメとして非常に残念でした。仕事はそんなに簡単にやめられてしまうものでしょうか。それとも、それくらいスーパーの仕事は軽いということでしょうか。そんなことはないはずです。

 タラちゃんが「遅いですー!」と一回言っただけで、「子どもがかわいそうだから」辞めてしまうところは特にいただけないところです。働くなんて子どもがかわいそう、という一昔前の価値観を思い出します。しかも、「体力をつけてから」といいますが、サザエさんは24歳の設定です。カツオを追い回す元気そのもののサザエさんに体力不足といわれてしまっては、こちらの立つ瀬がありません。一度でも責任をもって仕事をしたことがある人なら、こんな理由で2日で仕事を投げ出すなど、ありえない話です。