室谷克実(評論家)

 韓国はいま、経済、政治、軍事…さまざまな分野で、悪いことばかりだ。「総体的状況悪化」に直面している。そんな時、大阪を舞台に“日本人の嫌韓行動”により被害を受けたとする韓国人の告発が相次いでいるのは偶然だろうか。

 他人を貶めるために嘘を言った誣告(ぶこく)事件が日本の305倍にもなる韓国の実情、さらには個々の告発の不自然さを見ると、韓国の国策に寄り添うような「民間の反日団体」の蠢(うごめ)きを感じざるを得ない

 自作自演による「被害者パフォーマンス」に自己陶酔する。やがて、日本人の中から「自虐的快感」に酔いしれた同調者が出てくる。ここぞとばかり猛然と襲いかかる-慰安婦問題で、日本が学んだ隣国の姿だ。

 パターンは同じではないのか。韓国人が言う「わさびテロ」の件だ。

 さまざまな証言が錯綜(さくそう)しているが、1つの疑問がある。韓国のファンドが、日本の大手の回転寿司チェーンを買収するという情報と、「わさびテロ」は無関係なのだろうか。

 韓国人親子が道頓堀を歩いていたら、いきなり日本人に回し蹴りを食らわされた-本当だとしたら日本人一同おわびだ。

 しかし、目撃者が出てこない。防犯カメラの映像も出てこない。診断書もない。被害者は、日本の警察に届けていない。韓国の領事館に届けたそうだが、本当に夜10時近くに「被害届」を受理したのか。加害者を日本人と決めつけた証拠は。不可解なことばかりだ。

 大阪府警はしっかり調べるべきだ。結果によっては「正体不明の韓国人」に法的措置を講ずることを、ためらってはならない。

 日本で買ったチョコレートに「動物の歯」が入っていたとのネット書き込みもあった。お得意の「謝罪と補償」要求が続くのだが、その商品には「メーカー名の表示がないので、抗議できない」とあった。そんな日本の商品が本当にあるのか。

 韓国は外国人観光客数の対日比較を、一種の「戦争」と捉えている。外国人観光客の入国者数が日本より少ないことは、韓国の政権にとって「屈辱」なのだ。

 それなのに、韓国人一般を対象にしたアンケートでは、「最も行きたい都市」の1位は大阪だ。

 韓国の国際収支統計の「旅行収支」は赤字だ。韓国人の「大阪詣で」を断ち切りたいと、韓国の政権が願うのは当然だ。“嫌韓派日本人による被害”のクローズアップは、大阪詣でのブレーキになる。

 韓国には「何でもいいから、国際社会で日本を貶める」という活動方針を掲げる自称「ボランティア団体」がある。その団体が「下手な謀略工作」で有名な情報機関と密接と見るのは、コリア・ウオッチャーの常識だ。

 日本人を「加害者」に仕立てる「自作自演」的な「被害者パフォーマンス」は、「総体的状況悪化」の深化とともに広がるかもしれない。

 彼らは、日本人の常套(じょうとう)句「すみません」を、「謝罪させた=われらが正しい」と受け取り、次なる要求を高める。かたがた、油断することなかれ。

むろたに・かつみ 1949年、東京都生まれ。慶応大学法学部卒。時事通信入社、政治部記者、ソウル特派員、「時事解説」編集長、外交知識普及会常務理事などを経て、評論活動に。主な著書に「韓国人の経済学」(ダイヤモンド社)、「悪韓論」(新潮新書)、「呆韓論」(産経新聞出版)、「ディス・イズ・コリア」(同)などがある。