神田敏晶(ITジャーナリスト)

 大阪の「市場ずし難波店」で、韓国人などの観光客に「わさび」が大量に入れられたという苦情がSNSを発端とし、いつしか大手メディアのニュースにまで広がるようになった。現在は市場ずしが公式サイトで謝罪をしたことによって沈静化している。
謝罪文を掲載した「市場ずし」のホームページ
謝罪文を掲載した「市場ずし」のホームページ
「すしに多くのわさびを乗せていた件ですが、こちらはそのような事実がありました。
海外から来られたお客様からガリやわさびの増量の要望が非常に多いため事前確認なしにサービスとして提供したことが、わさびなどが苦手なお客様に対して不愉快な思いをさせてしまう結果となってしまいました。今後はこのようなことの無いよう、しっかりと対応させていただく所存です。
また、従業員による民族差別的な発言に関してはそのような事実は確認できませんでしたが、より多くのお客様に満足していただけるよう社員教育を一層徹底してまいります」

 事の発端は、2016年9月、韓国の旅行者が、韓国版NAVERの旅行掲示板に韓国語で、「わさびテロに遭った」ということがきっかけだった。外国人観光客からわさびの増量を求められることが多く、1、2年前から韓国人など外国人観光客には確認せずにわさびを通常の2倍程度に増量していたという。しかし、その口コミが増えていくことによって、情報の拡散力がさらに強まっていく。

 実際に見る限り、食べログで「市場ずし難波店」は高評価であり、「わさび」問題については何も触れられていない…。一切語られていないのだ。もしかして違う寿司屋かと思うほど何も記載されていない。少し不自然であるため、わさびに関するレビューはなんらかの経緯で削除されているのではと推測するのが正しい。一応、筆者も試験的にわさびに関するポジティブな意見を書き込んでみたが、2時間経って「ワサビ好きとしては、ぜひトライしたいと思いました」とちゃんと反映されていた。もっとも、すぐに消されてしまうかもしれないが。

 食べログは口コミベースの広告メディアなので、「標準」の検索結果を「広告優先」という表記に切り替えたばかりだ。「市場ずし 難波店」は食べログでは広告主としてしっかりと認識されている。

 また、食べログの口コミガイドラインには、「3.お店へ悪影響を及ぼすかつ内容の確認が困難な事象についての投稿はご遠慮ください」とある。当然、「お店へ悪影響を及ぼす」口コミは削除されるという仕組みになっている。同じく、Rettyの口コミ評価も見てみると、同様に「わさび」の情報は出てこない。

 ところが、Yahoo!ロコではレビューの様相が変わってくる。これは個々のお店がビジネスモデルではないプラットフォームのモデルの違いからくるところだ。また、同様にGoogle Mapにも口コミが韓国語などで記載されている。当然こちらはコントロールされておらず、書きたい放題だ。