産経新聞出版社長 皆川豪志

 弊社の出版物をアピールしていただけるなら、どんな媒体でもありがたいことですが、今夏、こんな記事を見つけたときには、ちょっと呆れてしまいました。

 「中卒父の『下剋上受験』、日本で話題に」(朝鮮日報電子版2014年7月26日配信、現在は有料記事なので、紹介記事にリンクします)

 弊社が7月に発売した『下剋上受験-両親は中卒 それでも娘は最難関中学目指した!』(桜井信一著)が、なんと「朝鮮日報」に取り上げられたのです。ただ、注目していただきたいのは、次の下りです。

 《試行錯誤も多かった。桜井さんは「小学校高学年が読む参考書でも、中卒の自分には難しかった。娘のために、昼は働き、夜は受験生の気持ちでずっと勉強するほかなかった」と語った》

 「語った」? はて、いつ桜井さんは韓国人記者の取材を受けたのだろう。というのもこの著者はペンネームであり、娘さんの受験というプライベートな事情もあるため、住所や電話番号を知っているのは弊社でもごくわずかな社員に限られるからです。早速桜井さんご自身にも確認したところ、そのような取材はまったく受けていないとのことでした。

 確かに、記事をよく読むと、その少し前に《中卒の父親は、本を通してこう語る。「中卒が中卒を育てるという『連鎖現象』を防ぐため、私は娘と一緒に勉強しました」》という下りがあります。ここで一度「本を通して」という言葉があるため、後の記事もすべて「本を通して語った」と読めなくもありません。ただ、百歩譲ってそうだとしても、本の中のどこをどう探しても、そのような言葉は一言も出てこないのです。

 さらに、記事の最後には、《読者の反応も上々だ。ほとんどは「受験生の親なら胸が熱くなるほどの感動受験記」と評価している》とうれしいことを書いてくださっていますが、この「」も誰が話したのでしょうか。何しろ弊社に対して、この件に関して朝鮮日報からは電話取材の1本すらなかったのですから何が何だかわかりません。

 実は、この記事が配信される2日前に、Web上の「R25」で次のような記事が紹介されています。『中卒の父、下剋上受験ブログが話題

 さすがにこの記事は、産経ニュースやツイッターといった引用元が書かれていますが、恐らく朝鮮日報の記者はこうした配信を参考に、「読者の反応云々」についても「R25」記事の最後の部分などを使って書いたのでしょう。

 特に実害もないですし、目くじらを立てるほどの話ではないのですが、この件の少し後、「週刊新潮」(2014年8月14・21合併号)の記事を見て、ようやく合点がいきました。

 「『週刊新潮』の記事を丸々盗用した韓国の反日新聞社『中央日報』の弁明」

 これは、アベノミクスによって都内の一部の富裕層の間で「ミニバブル」が起きているという週刊新潮のルポを、韓国の「中央日報」が盗用したことを告発する記事です。何しろ、記事全体の流れはもちろん、タクシー運転手の感想から著名文化人のコメントまで、「」の中も含めて新潮記事の無断盗用だらけです。取材のカケラすら見られません。その上、新潮の指摘に対しても話が噛み合わず、最後は逆ギレされたというのです。

 もちろん、かの国のマスコミすべてがそうだと言うつもりはありません。ただ、この記事を読む限り、その報道に対する姿勢は、わが国の倫理感や常識とは相当にかけ離れているように感じました。これはもう、怒りとかではなく、笑えるレベルだと思います。

 ちなみに、下記の記事の時も弊社には何の取材もありませんでした。弊社の本が悪いのか、韓国外交当局が悪いのか、何を言いたいのかよくわからない文章ですが、きちんとアポをとっていただければ、弊社はいつでも取材に答えますよ。

 取材日記「嫌韓から呆韓まで」(中央日報2013年12月17日配信)