呉善花 (評論家、拓殖大学教授)

 

いま、韓国で起きていること

 韓国は李明博政権の後半から反日姿勢を強め、2013年2月に朴槿惠が大統領に就任してからは日韓関係がさらに悪化しました。
 日本ではしばしば「朴槿惠大統領は本音では親日なのだが、国民のあいだに反日の声が強いので、仕方なく反日姿勢を取っている」と言われます。しかし、これは明らかな間違いです。そうではなく、反日は韓国では「民主的な政治家」と見なされるための必須の要件であり、国民情緒の動き方しだいで穏健だったり強硬だったりするだけのことです。

 現在の韓国では、民意とは事実上、国民情緒を意味し、「民意は天意」とするポピュリズムが、政治世界を強く支配しています。朴槿惠大統領は、の意味での民意=国民情緒に最も忠実に従ってきた大統領だと言ってよいでしょう。

 近年、とくに韓国の反日がエスカレートしている一つの理由として、李明博政権の後半頃から韓国社会が経済的にも社会的にも、急速に不安定さを増してきていることが挙げられます。

 2013年初頭にアベノミクスが始動してからは、日本経済は急速に息を吹き返し、その一方で、ウォン高進行を契機として韓国経済が大きく揺らぎはじめました。これに対して韓国政府は、「アベノミクスが韓国経済を圧迫する」と、韓国経済の不振と自らの失政を日本に責任転嫁するような主張まで行っています。