「スマホ不正」で大荒れの将棋界 状況証拠だけの糾弾でいいのか

『木曽崇』

読了まで4分


木曽崇(国際カジノ研究所所長)

 将棋の世界が「スマホ不正」なるもので大荒れのようです。

将棋「スマホ不正」問題を渡辺明竜王が独占告白

http://shukan.bunshun.jp/articles/-/6688

将棋:「対局中ソフト使用、一切ない」三浦九段が反論文書

https://news.nifty.com/article/domestic/society/12159-1019m040013/

 不正を告発したとされる渡辺竜王に取材した文春本誌の記事も読んだのですが、渡辺竜王を含めて複数のトップ棋士が証言している「プロ同士は『打ち筋』からやったか、やってないかは判るんだ」という主張や、「将棋ソフトの打ち手との一致率が異常に高い」といった主張は理解できるものの、こういう状況証拠のみで不正として糾弾するというのは私としてはどうも釈然としない。

 その種の状況証拠をもって「やったのか?」と問い詰めたところで、素直に「やりました」と答える人は居ないワケで、やった/やらないの応酬で「千日手」になるのが目に見えている手法で疑惑に迫ってしまったのは、完全に連盟側の放った悪手であるとしか言いようがありません。
不正疑惑について頭を下げる日本将棋連盟の谷川浩司会長(左)=10月14日、京都市
 まあ、本疑惑に関しては文春も含めて複数のメディアが認知し既に取材を進めていたとのことですから、連盟としてはメディアに大々的に報じられる前に何とか内側から解決しようと焦ってしまった結果なのかもしれませんが、将棋連盟の定める対局規定には「対局中は電子機器の電源を切る」というルールはあるようですから、少なくともその現場を押さえるというプロセスを経た上での糾弾が必要であったのではないかと思います。
機器利用を法で禁じた例もある

 ちなみに、法律の元で運営がなされるカジノの世界では、ゲームを有利に進めることの出来るこの種の機器の利用が明確に法律で禁止されている国や地域もあります。以下、ネバダ州法465からの転載。

「ゲームを有利に進めることの出来る機器、ソフトウェア、およびハードウェアの保持および利用の禁止」

 運営免許を保持するゲーミング施設内で提供されるゲーム、もしくは免許保持者およびその関係者から提供されるゲームを有利にプレイすることを目的としてデザイン、制作、改良、およびプログラムされたコンピュータ、電子機器、機器的装置、もしくは如何なるソフトウェア、ハードウェア、およびそれらの組合せとなるものを利用、所持した人間、およびそれらをもって第三者をアシストしようとすることは違法である。それら機器には以下のようなものを含む:

 1. ゲーム結果の確率を予測するもの

 2. すでに利用されたカード、もしくはこれから使われるカードを記録する

 3. ゲームに関連する事象の発生確率を分析する

 4. ゲーム内のプレイや賭け手法の戦略を分析する

 但し、委員会より許可・認証された機器の一環として提供されているものは除外する。

 カジノゲームにおいてもブラックジャックやポーカーなどではこの種の機器を利用すると有利にプレイができるゲームもありますが、これら機器をカジノ内で利用して遊ぶことは違法となる(少なくともネバダ州では)のでご注意下さい。(公式ブログ 2016年10月20日分を転載)

この記事の関連テーマ

タグ

将棋スマホ不正、三浦九段にモノ申す

このテーマを見る