憲法と自衛隊の関係に関する共産党の解釈は異常なものだ。共産党は、自衛隊の存在そのものが違憲だという。仮に自衛隊の存在そのものが違憲であるならば、ただちに憲法を改正して憲法が自衛隊の存在を認めるか、自衛隊の存在そのものを否定し、憲法を守らなければならない。

衆院本会議で安倍晋三内閣不信任決議案の賛成討論をする共産党の志位和夫委員長=5月31日、国会
衆院本会議で安倍晋三内閣不信任決議案の賛成討論をする
共産党の志位和夫委員長=5月31日、国会
 だが、共産党は、存在そのものが違憲である自衛隊の存在を認めてよいというのだ。要するに憲法に背く存在を認めてしまえという立場なのだ。この立場は恐ろしい。何故、恐ろしいかといえば、違憲の存在が認められるということは、事実上憲法が空洞化することを是認しているからだ。立憲主義の破壊を堂々と宣言しているに等しいからだ。

 我々国民の基本的な人権は憲法によって保障されている。だから、基本的な人権が踏みにじられるような行為があった場合、それは憲法の精神に反する行為であり、許されない行為ということになる。だが、共産党の解釈に従えば、憲法に背くような行為であったとしても、共産党が認めれば、そのような行為ですら是認されてしまう可能性を否定できない。

 国民の権利、人権を守るためには、行政府の暴走を食い止めなければならない。そのために人類が考案した一つの偉大な防御策が「立憲主義」だ。憲法によって、行政府の暴走を食い止めようというのが最大の狙いだ。だが、共産党は、自分たちの匙加減で「違憲」の存在であろうとも、認めることが出来ると公言しているのだ。こうした「立憲主義」を否定するかのごとき恐るべき言説を許容することは出来ない。

 日本国憲法を改正しなければならない最大の理由は、我が国の国防を担う自衛隊が、まるで違憲の存在であるかのように捉えられる憲法第九条第二項を改めなければならないからだ。まるで立憲主義を破壊しかねない共産党のような主張を展開するのではなく、堂々と自衛隊を憲法の中に位置づけるべく、憲法改正を行う必要がある。