三山秀昭氏『世界最古の日本国憲法』(潮書房光人社)著者インタビュー

WEDGE Infinity 編集部

 アメリカ大統領として初めて広島を訪問したオバマ大統領を招き寄せたキーマンが広島にいる。元読売新聞記者でワシントン特派員などを務め、現在広島テレビ社長を務める三山秀昭氏だ。オバマ大統領の広島訪問を願う手紙を募る「オバマへの手紙」というキャンペーンを企画し、2度にわたって集まった手紙をホワイトハウスに届け、被爆者、市民の声を説いた。その三山氏が、なぜ今「日本国憲法」というテーマに取り組んだのか。

編集部 オバマ大統領の広島訪問が実現しました。念願が叶いましたね。

三山氏 決断をしたのはオバマ大統領自身です。その決断を促したのは広島、長崎の被爆者、市民の「謝罪にはこだわらない」というスタンスです。政治的に組み立ててくれたのは3K(キャロライン・ケネディ駐日米大使、ジョン・ケリー国務長官、岸田文雄外務大臣)の存在です。広島テレビは被爆地のメディアとして、被爆者と市民の心、それにオバマ大統領と涙の抱擁をした森重昭さんの活動をホワイトハウスに伝えただけのメッセンジャーに過ぎません。

 オバマ大統領の広島訪問のキャンペーンを思い立ったのは、2011年、広島テレビの開局50周年記念のキャンペーン企画を考えていた時のことです。その中で「Piece for Peace」(平和へのひと筆)というアイデアが立ち上がりました。広島の平和公園には世界中の人々から年間1000万羽の折り鶴が届けられます。届く数の多さに広島市は頭を痛めていました。そこで、この折り鶴を再生紙にして平和を願う「一文字」を、全国から募りました。反響は大きく、外国も含めて1万8000人から「一文字」が寄せられました。これが、「オバマへの手紙」という企画に発展したのです。

 「Presidennt Barack Obama, Please pay a visit to Hiroshima」と印刷して、市民にオバマ大統領へのメッセージを書いてもらうように募ったのです。2016年には、サミットが日本で開催されることが決まっていましたし、実質的にオバマ大統領の任期の最終年になるので、上手くサミットとリンクさせれば実現するのではないかと考えていました。

編集部 そうした中で、なぜ今「日本国憲法」だったのでしょうか?

三山氏 朝3時ごろ、目が覚めて二度寝ができないものですから、朝食までの時間を活用しました。執筆に着手したのは3月で、1カ月かかりました。状況が長年前進して来なかったという意味では、米国大統領の広島訪問と、日本国憲法も同じです。特に憲法については、改憲派も護憲派も「こうすべき」という「論」が先に立ちすぎていることで、客観的な議論ができていませんでした。そこでまず「論より証拠」ではなく、「論よりファクト」を検証しようと思ったのです。

 オバマ大統領の広島訪問の日と、書籍の発売日が同時になったのは、本当に全くの偶然です(笑)。もっと早く出版したかったのですが、2カ月で出版になったのは、参議院選挙より前にすることで、余計な憶測を呼びたくないと考えたからです。