本田はこれまでゴールやアシストという結果によって日本代表を引っ張ってきたが、90分のプレーを見るとスローインの受け手として、相手のビルドアップにプレッシャーをかけるファーストディフェンダーとして、相手の守備を自分のところに引き付け、周りに前を向かせる起点として機能してきた。そうした総合的な働きではチームでも最高レベルにある。

 ただ、現在のパフォーマンスが主力として物足りないことも確かで、クラブでの状況も影響しているのは間違いないが、こと右ウィングに関しては戦術的に浅野や怪我で今回は選外だった小林悠の方がよりマッチする部分もある。チームの方向性は同じでも、選手の特徴が同じ必要はない。ただ、ハリルジッチ監督の目指すものが理想に近づくほど、本田の持つ特性から離れていく実情はあるかもしれない。

サッカーキリンチャレンジ杯日本対オマーン。試合後、目も合わせず引き揚げる本田圭佑(左)とハリルホジッチ監督=11月11日、県立カシマサッカースタジアム
サッカーキリンチャレンジ杯日本対オマーン。試合後、目も合わせず引き揚げる本田圭佑(左)とハリルホジッチ監督=11月11日、県立カシマサッカースタジアム
 自分がスピードを出すよりも、味方のスピードを引き出せる1トップがメインになる可能性もあるが、ストライカーが本職の大迫勇也の様にゴール前の最前線でフィニッシャーとして決定的な仕事ができるかと言えばノーかもしれない。やはり、このポジションではメインではなくオプションの扱いではないか。

 どのポジションにしても、もし本田がスタメンのファーストチョイスから外れた場合、ハリルホジッチ監督がメンバーに招集し続けるかどうか。それは本田の振る舞い次第かもしれない。サブという立場に満足する必要は全くない。ただ、スタメンが当たり前ではない状況を受け入れた上で、出番を得るためにアピールするという行動を取れるかどうか。

 代表に競争は付きものだが、絶対的な主力として長く定着してきたことによる難しさはある。本田には個人としてはプレーのパフォーマンスを上げること、スタメンを外れたとしても健全な競争に身を投じながらアピールしていくことを願いたい。そのためにも所属クラブで常に出場できる状況にしていくことが条件になるだろう。周りがいかに騒ごうが結局、日本代表の戦力であり続けられるかどうかは本田の振る舞い次第であり、監督の決断にかかっているのだ。