諌山裕(グラフィックデザイナー)

 W杯最終予選のオーストラリア戦。勝てる試合を引き分けてしまった。残念ではあるが、日本チームの現状を考えれば、負けなかったのは最低限の仕事をしたと思う。なかなか上昇気流に乗れないため、スポーツ紙、サッカー誌、サッカー評論家たちの多くが、ハリルホジッチ監督に対する批判(というよりバッシング)をしている。それらを読むと、日本のスポーツジャーナリズムのレベルの低さが情けない。
W杯アジア最終予選オーストラリア対日本で競り合う本田圭佑=10月11日
W杯アジア最終予選オーストラリア対日本で競り合う本田圭佑=10月11日
 まず第一に、的確かつデータに基ずく客観的な分析が少ないのだ。感情論や印象論だけで批判している。あるいは、出所の定かではないゴシップ的な情報で批判している。典型的な例が、セルジオ越後氏だ。

セルジオ越後氏、日本の戦いに「こんな臆病な姿は初めて。恥ずかしい」「勝ち点3を取るサッカーした?」(サッカーキング)

「日本代表のワールドカップ予選をこれまでいくつも見てきたけど、こんなに臆病な試合をする姿を見るのはW杯に出場するようになってから初めて。恥ずかしくなってしまった。これまでは勝敗の結果はあるにせよ、対等に戦おうとする姿勢は見せていた。だが、今日の試合は最初から守りに徹し、相手の実力が上であることを認めるサッカーだった。今の日本の実力が、このくらいのレベルなんだということを表していたのではないだろうか」

(中略)

勝ち点3を取りにいくサッカーをした? グループ最大のライバルとのアウェーゲームとは言え、W杯の予選初戦をホームで落としたチームが勝ち点を取り返すためにやるサッカーをしなかった。

(中略)

あと以前、金崎夢生に忠告をしていたが、自分が審判に詰め寄る姿も子どもに見せられるようなものではない。抗議するにしてもやりすぎだね。

 この人、記憶力はよくないらしい。10月7日の記事には、以下のように書いていた。

劇的勝利もセルジオ越後氏「内容はひどい」「原口のような選手がたくさん出てこないと」(サッカーキング)

11日のオーストラリア戦は、まともに戦ったら負けるのでは。引き分けを頭に入れた弱者の戦い方も考えなければならない。

 結果的には、引き分けになったんだから、セルジオ氏のいうとおりになった。ここは褒めるところじゃないのかな?「弱者の戦いをしろ」といっておきながら、それが「恥ずかしい」とはなにごとだ!自分の発言には責任をもってもらいたいね。