上念司(経済評論家)

 私は韓国に対して差別的な感情を持っていない。事大主義やケンチャナヨ文化といったものは確かに韓国の停滞の原因かもしれないが、それをもってそれが劣ったことだなどと認定する気もない。本稿では、あくまで一人のエコノミストとして韓国経済の停滞について語ろうと思う。そして、最近バッシングにさらされている財閥の問題について、なぜこの時期にそれが始まったのかを考えてみたい。

 よって、本稿は韓国批判を目的としたものでもなければ、いわゆる「嫌韓」的なものでもない。韓国経済の現状と課題について、私が思うことを語るのみである。

 どの国の経済を語る上でも、統計を見ることが重要である。支那のように統計がまったく信頼に値しない国もあるが、韓国はさすがにそこまで酷くないだろうという前提で確認してみよう。まずは、経済政策が成功しているか失敗しているかを端的に表す数字から。


失業率

2013年 3.1%
2014年 3.5%
2015年 3.6%
データ出所:JETRO

 2013年に朴槿恵氏が大統領に就任して以降、韓国の経済政策は失敗続きだったと言っていいだろう。経済政策とは、一義的には失業を減らすために行うものである。失業率の推移が表すところを見れば、朴槿恵政権はそれに失敗している。

 ちなみに、失業率は物価上昇率と逆相関の関係にある。つまり、物価上昇率が上がると失業率は下がり、物価上昇率が下がると失業率が上がるということになる。失業を減らすためには物価上昇率を一定以上になるようにコントロールしなければならない。その仕事を担っているのが韓国の中央銀行である韓国銀行だ。では、その仕事ぶりを見てみよう。


消費者物価上昇率

2013年 1.3%
2014年 1.3%
2015年 0.7%
データ出所:JETRO

 物価上昇率は低下中だ。こちらもまた見事に失敗しているとみていいだろう。つまり、朴槿恵政権成立以降、政府も中央銀行も政策運営に失敗しており、その結果として景気が低迷して失業が増えているのだ。

 かろうじて物価上昇率はプラス圏にあるものの、このままでは日本がかつて経験したようなデフレに陥る可能性すら出てきた。あれほど日経新聞など日本のメディアが称賛した韓国経済は一体どうしてしまったのだろうか?