そもそも、韓国製品がバカ売れした時代は日本が誤った経済政策によって勝手に自滅していた時期である。日本銀行はデフレを放置し、政府の景気対策も金融政策のサポートなしにはまったく効果を発揮できなかった。リーマンショックの発生によって各国中央銀行が大量に貨幣を発行して自国経済の救済に走ったが、日銀は一人何もせず放置した。その結果、日本円が国際市場で希少となり、1ドル70円台という超円高が襲ったのだ。韓国が漁夫の利を得たのは、日本の自滅によるところが大きい。GDPの4割近くを輸出が占める韓国経済にとっては恵みの雨だった。

 しかし、安倍政権の成立と同時に、日本政府は経済政策を180度転換させてしまった。もう超円高は二度と来ない。韓国企業は円高ウォン安という追い風なしに、自力で日本企業と競争せざるを得なくなったのだ。ところが、このタイミングで朴槿恵政権という最悪の政権が誕生してしまった。この政権は、日米を捨て、支那に走るという誤った外交政策だけでなく、経済政策まで間違っていた。

会談で握手を終え、すれ違う韓国の朴槿恵大統領(右)と
中国の習近平国家主席=9月5日、中国・杭州
会談で握手を終え、すれ違う韓国の朴槿恵大統領(右)と 中国の習近平国家主席=9月5日、中国・杭州
 最大の失敗は日韓通貨スワップを更新できなかったことだろう。もちろん、これは支那重視という誤った外交方針と整合性を取ったことの論理的な帰結である。韓国は支那とも通貨スワップを結び、支那が韓国の通貨防衛に協力してくれるはずだった。しかし、実際にはどうなったか? 本来援助の手を差し伸べてくれるはずの支那が人民元の暴落に怯え、自国のことで手一杯になってしまった。韓国はとんでもないババを引いたものだ。

 韓国経済は巨額の対外債務によって支えられているため、常に資本流出の恐怖に怯えている。ウォン安が加速度的に進むと、海外の投資家が韓国から資金を引き揚げてしまうため、景気が悪化してしまうのだ。景気が悪化すればますます利回りが期待できない韓国からより多くの資本が引き出され海外に流出する。結果としてウォンは大量に売られて為替レートが暴落する。これがアジア通貨危機で実際に起こったことである。韓国政府は常にこの影に怯えているのだ。

 ふつうは国内の景気が悪化し、失業が増えてきたら、金融緩和や財政出動を行って景気を下支えしなければならない。韓国の現在の経済状態ならすぐにそれをすべきだ。しかし、通貨の暴落に怯える韓国政府は安易にそういった政策が採用できない。なぜなら、ウォンを刷り過ぎれば為替レートが暴落し、アジア通貨危機が再来してしまうかもしれないからだ。