日韓財務対話で握手を交わす韓国の柳一鎬・経済副首相兼企画財政相(左)と麻生財務相=27日、ソウル
日韓財務対話で握手を交わす韓国の柳一鎬・経済副首相兼企画財政相(左)と麻生財務相=8月27日、ソウル
 ある程度ウォンを刷っても為替レートが暴落しないようにするためには他国の援助が必要だ。それは「経済大国」による手形の裏書であり、具体的に言えばそれは日韓通貨スワップだったのだ。しかし、愚かなことに朴槿恵政権はいとも簡単にこの伝家の宝刀を手放してしまった。極めて愚かなことである。そのことによって、本来やるべき金融緩和や財政出動が十分にできない。これこそが韓国経済低迷の原因だ。

 もちろん、韓国には財閥を中心とした非効率な経済システムが温存されていることにも問題はあるかもしれない。しかし、そういった構造問題は長期的に取り組むべき問題であって、数年単位で解決できることではないだろう。それよりももっと重要なことはマクロ経済政策の転換であり、それを実現するために必要なのは外交政策の転換である。政策の転換には、世界各国に慰安婦像を立てて日本を貶める活動を即座に中止し、日韓合意に従ってこの問題を不可逆的に解決することなども含まれる。そして、日韓通貨スワップを復活してもらうよう、日本にもメリットのあるディールをきちんと提案すべきである。

 もちろん、韓国政府もバカではない。ここのところ韓国には日本に対して融和すべきだという意見もあるし、多少そういった動きもみられる。しかし、朴槿恵政権はどうもメンツにこだわっているようで動きが鈍い。また発言もよくブレる。関係改善は少しずつしか進んでいない。

 しかし、そんな悠長なことをしていたら、韓国の人々の政府に対する不満が爆発する。朴槿恵政権はピンチだ。では、どうするのか? 一番手っ取り早いのは弱い者いじめで国民の批判の目を逸らすことである。

 いま、韓国では財閥バッシングが幅を利かせている。これはまさに論理的帰結なのではないかと思っている。特に、ロッテという在日韓国人の企業がやり玉に挙がっているのは象徴的だ。